都内の一等地に店を構える寿司店で、「自ら釣った魚を提供する女将さんがいる」という気になる情報を聞きつけた。その店とは六本木にある「Sushi&Bar琴」。今回は同店女将である深雪さんの、LTアジ釣行~お店での調理・提供までを密着取材。鮮度・温度キープに一役買う【冷温プレート】をアジ料理やデザートに使用してもらった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・河野)
目次
東京湾のブランド魚「金アジ」
東京湾のブランド魚「金アジ」。東京湾には幾つかのタイプのアジがいるが、大きく分けると“外遊性”と“居着き”の2種に分けられ、「金アジ」は後者の代表格。
東京湾奥で豊富な餌を捕食しているので、いつの時期にもたっぷりと脂肪を蓄えており、金色に輝いている。そんな金アジを、神奈川県川崎市の釣り船【つり幸】のLTショート便で狙った。
釣り好き女将がいる「Sushi&Bar琴」
密着取材したのは、六本木の一等地に店を構える寿司店「Sushi&Bar琴」。店名の通り寿司カウンターとバーカウンターが背中合わせとなっていて、どんなシチュエーションにも対応できる雰囲気抜群の和食寿司店だ。
店内にはカウンターだけでなくお座敷やソファ室もあり、グループでもお寿司やお酒をゆったりと楽しむことができる。
特徴的なのは、釣りが趣味という女将・深雪さんが自ら釣った魚を味わえる点。深雪さんの手によって釣った魚を、熟練の板前さんが美味しく調理して提供してくれるのだ。
今回は、女将・深雪さんの釣行~料理提供までを密着取材。当日の様子を紹介していく。
【冷温プレート】とは?
その前に、今回の取材で大活躍した「冷温プレート」について紹介していきたい。
冷温プレートの特徴
冷温プレートの特徴は、形状が丸形である点。丸皿のお皿で使用することを想定しており、丸皿に沿うデザインのため熱伝導率が良く、保冷効果を保ちやすくしている。
保冷効果を持続する保冷剤量(約460g)を確保する為に、高さも40mmあることによって3時間経過しても適温を保つことができる。
性能テストで実証済
盛り付けた刺身の表面温度を計測した。
条件:マグロ赤身1切れを直接盛り付けた丸皿(陶器)2枚のうち、1枚を冷凍庫で凍らせた冷温プレートの上に置き、もう1枚をテーブルに直接置いて室温25度の環境下でそれぞれのマグロ表面経時温度変化を非接触温度計で計測。
結果:冷温プレートを使用した皿では3時間経過時点でも7℃~15℃を維持した。
※Believe shine companyの調査結果です(諸条件により、異なる場合があります)。お刺し身の安全性や鮮度を保証するものではありませんのでご注意ください。
冷温プレートのスペック
・外寸 φ190mm × 高さ40mm
・総重量 約580g (内容量:約460g)
・容器材質:ポリエチレン
※適合するお皿の目安(直径25cm程度までの丸皿)
・製造国:日本
・意匠登録済み:第1740597号
つり幸でLTアジ釣りへ
実釣当日はあいにくの雨で、8時頃までは土砂降りであった。悪天候の中、6時50分に川崎から出船。アジのポイントを目指し、30分程度移動した。
今回は右舷船首から数えて3番目の釣り座を選択。平日にもかかわらず、釣り座は8割方埋まっており、「つり幸」の人気の高さがうかがえる。
ポイントとなる水深は10~20mで、今回はレンタルタックルを使用。40号のビシカゴにコマセ、ムツ針10号の2本仕掛けにアオイソメをそれぞれセットした。
ビシカゴにコマセをたっぷり入れてしまうと、海中でうまくコマセを振ることができずにアピール力が落ちてしまう為、深雪さんはコマセを半分程度入れてスムーズに実釣開始。
15cm級アジから顔出し
指示ダナは底から1.5〜3m。深雪さんは底から2m付近で竿を小刻みにシャクり、コマセを巻いていく。朝一でタイミングとしてはバッチリだが、雨の影響もあり、開始直後は当たりに恵まれず。
3投目で大きくシャクリ上げた直後に「ビビビッ」という待望の当たりがあり、ゆっくりとフッキングさせた。上がってきたのは、15cm程度のアジ。指示ダナのちょうど真ん中あたりに、アジの群れがいるようだ。深雪さんは同じタナを集中的に狙い釣果を重ねていった。
良型のイシモチをキャッチ
実釣開始1時間が過ぎたタイミングで、竿を引っ張るような大きな当たりが。
下に潜ろうとする魚に対して、深雪さんは竿でいなしながら慎重にやり取りを続け、正体不明の大物を確実に浮かせていった。
周りの人も「ギガアジがきたか!」と注目する中、上がってきたのは30cmアップのイシモチ。外道ではあるものの、塩焼きにすると美味しい魚の為、お客さんへの提供用に持ち帰ることにした。
最終釣果
4時間の実釣を終え、最終釣果は15〜18cmのアジ15匹と25〜35cmのイシモチ3匹。大型のアジを釣ることが出来なかった点は心残りだが、イシモチだけなら竿頭だった。
血抜きはしっかりと
帰港前、深雪さんは釣ったアジとイシモチのエラを切って丁寧に血抜きを行っていた。
理由として、「釣った魚を板前さんに捌いてもらうまで、鮮度の良い状態を維持させて、お客さんに美味しい魚を食べてもらいたいから」とのこと。寿司店の女将らしい、さすがの回答だ。