この春の大阪湾奥では2月からよくチヌが釣れているらしい。ネットの釣果情報を見ると「完全にノッコミパターン」という一言もあった。筆者はチヌをライトゲームの延長でやる。ならばノッコミのパターンもそれで制することができないか?寒さは覚悟でやってみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ノッコミはLTで制することができるのか?
釣行の前日はなかなか冷え込んだ日で、この日も夕方に釣り場に立つと日中の陽気がすぐ去りすぐに寒くなった。しかし短時間釣行と決めていたので、もう頭の中で「気にしない」とする。心頭滅却。
あっちこっちで寒がりで知られる私が、わざわざこうして真冬の海に立っているのを見ると、職場の人たちなんかに驚かれるかもしれない。
これまでの真冬のチヌ釣果
実は以前も真冬にチヌが釣れることはよくあった。2月も3月も釣果がある。キワのメバルを狙っていたときの、アジングワームでの釣果。特定のワームによく食ったので、怪しいとは思っていた。それが「ノッコミ」だったのかもしれない、と思ったのは最近のことだ。
以前エサ釣りのチヌ師に訊いたところ、「春の産卵期のチヌは食い込みが悪いからやわらかいエサを使った方がいい」と語っていた。春の産卵期=ノッコミ。なるほどやわらかいエサの方がいいとは、ライトゲームのワームがマッチするだろう。
ワーミングでいく
一応夕方の時合いから入った。明るい時間はボトムを狙っていく。2gヘッドにシルエットの小さいワームをつけて、30カウントして底ベタ。するする巻くのではなく、つんつんと動かしてボトムを小さくエビっぽく跳ねさせる。
少し竿を煽ってボトムから浮かせると、タケノコメバルがヒットした。
きれいな模様のタケノコメバルだ。引きがほとんどなかったのでカサゴかと思ったのだが、これくらいのサイズならタケノコも引かないか?もともとガッガッと押し込むような引きをするのだが。
ちなみに海にベイトっ気は一切ない。サバが回っていると聞いていたが、不在だった。
ワームのサイズダウンでキビレヒット
薄暗くなってしばらくアタリが遠のく。メバルがこないかと少しだけ橋脚周りの表層やキワの極小リグリトリーブを試してみたが、返答なし。
アピール重視でやっていた2.5inchのワームを、2inchにダウンサイジングした。するとヒット。ごんごんと引き込む。いいメバルだなーと思ったら横走りしだした。なかなか浮かないぞ。キビレだな。
サイズは38cmと普通。本チヌではないのが、ノッコミを意識した狙いとしては微妙ではあった。おそらくキビレも産卵期でノッコミに近いのだろうが、もともとノッコミというのは沖から接岸してきて堤防際に卵を産むことらしい。キビレは汽水域にしか棲まないので、回遊してきたチヌのノッコミとはまた違うような気がするのだ……。
一応2024年に入って最大級の魚だ。タモをはじめて使った。ちなみにこのあと隣の人が同様にキビレを掛け、タモをお貸しした。サイズで釣り負ける……。
パターン化できるか追加検証を
筆者の中でチヌは真夏の魚だ。以前までは7月~8月と思っていて、少しでも暑さが和らぐ9月になると釣れないとさえ思っていた。けれど、反応は薄くなりながら、個体数が多い大阪湾奥では通年釣れる。産卵期の魚は他魚種でも釣りやすいので、チヌにも何か攻略法があるのかもしれない。
春の温かい日は、メバルは二番目の釣り物として、一番目にはチヌを狙うのも一興かもしれない。この時期はベイトが少ないだろうから、貝類やバグ系がチヌのエサになっているのだろうか?パターン化するためには追加検証が必要かもしれない。むろん私らしく、ライトブリームゲーム。昨年新しく購入したメバリングロッドが、また忙しくなってきそうだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>
大阪湾奥