テーマは「ナジませて釣る簡単セット」。スタートダッシュには成功したものの、その後はバラケを持たせるのに苦労させられる。そこで出した吉田の切り札は意外なものだった。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
チョウチン用を転用
三和新池東桟橋の畑下向き、竿10.5尺メーターセットでスタートした吉田。序盤は魚の活性が上がらずポツポツの釣況だったが、晴れて気温が上昇し始めるといつしかアタりっきりになっていた。カウントも順調に伸び、ナジませるセット釣りがピッタリハマっているように見えた。
これは好機と記者は対岸に回り込み吉田の雄姿を撮影。ところがカメラを構えた途端に竿が曲がらなくなり、記者もなかなかシャッターを切れずにいた。
せっかくいい光なんだから、早くどうにかしてよ!
むちゃな注文を突きつけられた吉田は、バラケを一から作り直すことになった。
「順調に釣れていたのですが魚の寄りが厚くなり過ぎてしまい、バラケが持たなくなりました。なので作り替えてますので少々お待ちを」
おいおい、当初の約束ではふぶきの裏書きに書かれていたとおりのバラケを使うって話ではなかったっけ?
「はい。ですから浅ダナ用ではなくチョウチンセット用のバラケを作ってます」
おおっー、その手があったか(笑)。
「はい、やってる本人も驚いてます。でもこれでイケるんじゃないかなって。あとはウキも必要に応じてサイズアップさせれば、そこそこ釣りきれると踏んでます」
ていねいにハリ付け
ふぶきの裏書きを確認するとバラケの詳細は以下のとおりだった。
粒戦100㏄+とろスイミー50㏄+水200㏄+ふぶき200㏄+セットアップ200㏄。
浅ダナ用との違いはまとまり感があり比重も増している点で、それはエサ持ち、タナへの届けやすさに直結する要素でもある。
ちなみにふぶきパッケージ裏書きの別項・エサの使い方解説には『仕上がった基エサを小分けにし、まずは手を加えずていねいにハリ付け』と書かれているけど、当然それはやったんだよね?
「もちろんです。持たせるバラケでは基本中の基本ですから」
そのうえで『もっとエサを持たせたい場合は小分けした基エサにふぶきを適量追い足して調整』と書かれてあるけど、それもやったの?
「もちろんです。ただ追い足すにも限度があるので、それならバラケを作り替えてしまったほうが話が早いと思ったまでです」
性質を理解すれば転用可能
なるほどね。それにしてもいいところに目を付けたね(笑)。まさかチョウチン用とはね。
「チョウチン用と書かれていても、べつに浅ダナで使えないとは書かれていません。それに今回はたまたま浅ダナでしたがチョウチンでスタートして、もう少しバラケを軽くしたいとかバラけやすくさせたいなら浅ダナ用にチェンジするって手もありだと思うんです」
なるほど。それは確かにそうだ。要は何々用と書かれてあっても性質が異なるだけで、それを理解して使えば違う釣り方にも転用可能だ。
バラケを一新し、一部セッティングにも手を加えて再スタートを切った吉田。その後の釣況は言わずもがな、2月とは思えない快調ぶりを見せ、カウントはますます増えるばかりだった。
次回も「ナジませて釣る簡単セット」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
三和新池