メバルはプラグでも釣ることができる魚だ。ライトゲームのターゲットとしては珍しくプラグの方が食いが良いこともある。また同様のプラグでシーバスやチヌも、うまくすると釣ることができる。特に春は「バチ抜け」というわかりやすいパターンで釣りやすいので、そのために3つのルアーの準備をしておきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
春に備えてメバルのプラグを
メバルは、シーズン序盤の小型がメインとなる11月~1月までは、ワームの方が釣りやすい。大型が浮いてくるとプラグでも仕留めることができるが、この時期のメバルはスポーニングが絡んだり、ベイトが何かわからなかったりするので、プラグで確実に狙って釣るのは簡単ではない。
それが春になって海水温が上がると、バチの産卵期である「バチ抜け」が起こったり、ベイトフィッシュが沿岸に寄ってきたりして、「マイクロベイトパターン」を形成する。メバルがバチ(イソメ、ゴカイなど)を食べたり、小魚を食べることが確実となると、それを模したハードルアーがかなり効果的となる。プラグで釣りやすい時期だ。筆者は大体5月はプラグでメバルをまとめ釣りする。大型も多いので、楽しい。
パターンを考えて3種
では、来る春に備えて、どのようなプラグを準備すべきだろうか?メバルのベイト(捕食対象)から考えて、3種は手元に備えておこう。
バチ抜けパターンなら「I字」
バチ抜けとは、下の画像のように、多毛類が産卵のために海面に浮く状態のことだ。
場所にもよるが、バチ抜けは春、海底が砂地の海または河口で起きる。バチはシーバスもアジもメバルも食う、魚の大好物だ。このバチを模したルアーを通せば、釣果は手堅い。ワームでもいけるのではないかと思うのだが、なぜかワームはこの時期無視されたりもするので、プラグを持っていった方がいい。
バチはそんなにテロテロと頭をくねらせて動くような真似をしない。見た目のわりに意外に、というべきか、単線的な動きをする。そのため、ルアーもあまりブルブルとタテヨコに震えるのでなく、すーっと水をかいてきて動く、I字ルアーがおすすめだ。
ベイトフィッシュパターンなら「S字」
小魚が沿岸によってきて、メバルがそいつらを捕食しているときには、S字のルアーだ。S字とは、ぶりぶりと頭を振るようにしながら泳ぐルアーで、引き抵抗が比較的重い。リップがついていたり、40cm程度沈んだりもして、巻いてくるときの波動が大きい。
レンジが入った魚なら「シンキングミノー」
シンキングミノー、シンキングペンシルなどと呼ばれる、要するに多少沈むルアー。メバルが沈むときは、こいつを使えばいい。
「メバルが沈むとき」といえば、ちょっと食う時間を過ぎて壁際の海底に隠れようとする時間や、表層のルアーを多投してスレてしまった状況だ。また、デカいメバルはそもそもレンジが深い、という説もある。深いところに入ったメバルを捻りだそうと狙うなら、シンキングを持っていきたい。
マイクロメタルも持っていこう
その他、メバルのプラグというかハードルアーとしては、マイクロメタルジグを筆者は個人的に推奨する。マイクロメタルはシャンシャンと自分で動きを加えながら使う面白いルアーで、デイ&ナイト使える。デイゲームではフグやベラも簡単に釣れるし、キワに落として動かすとカサゴもメバルも反応がいい。
夜もただ巻きでメバルやアジが反応するので、1g前後のモノを持っていくと楽しい。
プラグで釣るとメバルは倍面白い
メバルはご存じのようにワームで表層をゆっくりリトリーブすれば簡単に釣れる魚だ。その方法でずっと釣っても、プラッギングを絡めるのとで、まあシーズン全体の釣果で差がつくことはないだろう。しかし、「釣る楽しさ」の部分で、プラッギングは良い。今、ザ・ルアーフィッシングをしているな……という気分は格別のものがある。
<井上海生/TSURINEWSライター>