海上釣り堀で青物を釣る方法【魚種・タックル・仕掛け・エサ・狙うタイミングを解説】

海上釣り堀で青物を釣る方法【魚種・タックル・仕掛け・エサ・狙うタイミングを解説】

10数年前に比べれば落ち着いた感のある海上釣り堀ブーム。それでも土日ともなれば予約が取れないほど、根強い人気を保っている。海上釣り堀の解説は本紙で何度も掲載してきたが、今回は少し深堀りして釣り堀の花形である青物について的を絞ってメソッドを紹介したい。

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海釣り施設 海上釣り堀

開始直後に狙う

海上釣り堀の釣り方として、朝一はマダイを狙ってひと通り釣果を稼いでからか、放流があってから青物を狙うというのが定番だと思う。だが朝一、釣り開始直後はマダイのチャンスでもあると同時に青物のチャンスでもある。

青物が掛かった場合、他の人は絡まないように仕掛けを上げておかなければいけないので、多くの人の乗合の場合朝一から狙うのは遠慮したいところだが、貸切だったり乗合でも人数が少なければ、朝一から青物を狙ってみたい。

海上釣り堀で青物を釣る方法【魚種・タックル・仕掛け・エサ・狙うタイミングを解説】放流直後は大チャンス(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

朝一は前日のプレッシャーがリセットされ、魚が口を使いやすい状態。かといって放流されたばかりの魚ほどの活性はない。そこで使うのがカツオの切り身か冷凍イワシだ。底から1mほどのタナで固定して、サオはサオ掛けに掛けておく。

30分青物を狙ってアタリがなければ、マダイ狙いに切り換えてもいい。2本サオが出せる釣り堀ならもう1本でマダイ狙いをしてもいい。

そして青物の放流があれば、再び狙ってみる。このときは魚自体に活性が高いことが多いので、動きのある生きアジで狙ってみよう。

タナ取り

マダイ狙いと同じように、青物を狙う際もしっかり底ダチを取る。ミャク釣りの場合、タナ取りオモリでしっかり底を確認したら、ラインにマジックでマーキングするかウキ止めゴムなどを目印にしておく。

海上釣り堀で青物を釣る方法【魚種・タックル・仕掛け・エサ・狙うタイミングを解説】タナ取りオモリでしっかりタナを確認しよう(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ただし、青物はマダイのように底層ばかりを狙うわけではない。底から攻めて50cmごとにタナを刻み、少しずつ探り上げてくる。ウキ釣りの場合は底上50cmから開始して、少しずつウキ下を浅くしていく。青物はどこで食ってくるか分からない。丁寧にエサが目視できるタナまでは探るようにしよう。

ファイト

アタリは非常に明確。ミャク釣りなら、置きザオにしているサオの穂先が豪快に海面に突き刺さる。ウキ釣りならギューンとウキが一気に消し込む。いずれにしても十分食い込ませ、ハリをのませるぐらいのイメージでアワせよう。

初めての人は青物の想像以上のパワーに驚くだろう。魚が突っ込むときはサオでためて耐え、ドラグでしのぐ。引きが弱まったら、ポンピングで寄せにかかる。

1度の突っ込みで上がるほど、青物は優しくない。手前に寄ってからも何度も突っ込む。キモは焦らないこと。ここは閉鎖水域。根ズレするような障害物は何もない。「走りたいだけ走れ……」ぐらいの気持ちでやり取りしよう。

食味

釣り堀の青物……と聞くと、「なんだ、養殖か」と言う人がいる。これは声を大にして言いたいが、天然青物より養殖青物の方が断然味がいい。ブランドの氷見の寒ブリなどは別にして、事実青物に限っていえば、養殖物の方が値段は高いのだ。天然の青物は時期や場所によっては脂が全く乗っておらず、身に虫が入っていることも多い。

だが養殖の青物は年中安定したクオリティを維持し、脂の乗りも抜群。持ち帰るときにしっかり絞めて血抜きをしてくれるため、くさみもほとんどない。刺し身はもちろん焼いても煮ても最高にうまい。今の時期ならしゃぶしゃぶなんかも最高だ。ぜひその食味もしっかり味わってほしい。

<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年3月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。