2月後半からGW頃にかけて、暇さえあれば採りにいくノビル。今年もさいたま市を流れる芝川の河川敷にて無事開幕戦を終えました。ノビル採りのちょっとしたコツと、筆者おすすめのノビルレシピを交えつつレポートします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)
ノビルという山菜
筆者がまだ幼き頃。父がどこかから小さなタマネギのようなものを採ってきては、ササッと洗って味噌にチョン。酒のつまみにして食べている姿をよく目撃しました。
当時の率直な感想としては……子供心にその小さなタマネギのようなものに対して、「美味しそう」というイメージは皆無。そんなネガティブな記憶が40年近く筆者の脳裏を支配していたため、時を経ても採りに行くことなど考えもしなかったのですが、ある日友人から唐突に「ノビルを採りたいんだけどどこに生えているかわかる?」とラインで質問され「わかるよ」と返答したところ、翌週一緒に採りに行くことに。
念のため、筆者自宅近くの道路脇にて生えていることを確認し、「食べても良さげな環境&私有地ではない所」という条件にてグーグルでポイントを選定し、友人宅近くの芝川河川敷で合流。案の定、河川敷にはノビルが所狭しと生えており、二人とも1時間も経たずにバケツにいっぱいノビルを採りました。
そう、ノビルという植物は、河川敷は勿論のこと、駐車場、空き地等、雑草の如くどこにでも生えている山菜。誰でも簡単に、そして身近に採取できる山菜なのです。
実は美味しかった!
長い間、ノビルの食べ方は生のまま白い球根部分を味噌に付けて食べる、といった方法一択で、更に残念ながら筆者の中では美味しい山菜というイメージはなかったのですが、友人はテレビの特集番組で色々な食べ方があることを知ったようで「たくさん採って色々な料理を試したい」と、仕入れた情報に自分の想いを交え熱弁をふるう。そういえば冷静に考えると、ノビルはラッキョウ、ニラ、青ネギによく似ています。
ネットで調べてみると、当然のようにこれらの野菜を使った料理で水平展開ができる旨紹介されていました。天ぷら、炒め物、餃子、チヂミ、タルタルソース等々。実際に色々試しましたが、どれも本当に美味しいことが判明しました。
こうして、40歳代半ばにして「ノビル採り」という食材採取が二人の春の恒例行事となったのでした。
ノビル採りのコツ
筆者が住む埼玉県南部地方では……先にも書いた通り、どこにでも生えています。しかし、当然どこでも採っていいというわけではありません。また、食べることが目的であれば、それなりの環境で育ったものを採取する必要があります。
その他、釣りのついで、他の山菜(セリ、フキノトウ、ヤブカンゾウ等)とセットで、なんていう採り方ももちろん可能。ノビルはどこにでも生えているのでアプローチの仕方は様々ですが、今回は専門で採ることを考えた場合の「効率の良い採り方」をまとめてみます。
ノビル採りはアカムツ釣りに似ている!?
効率の良い採り方=大物の採り方プラスα。大物は群生して生えているポイントからやや外れた所に生えていることが多く、尚且つ球根は小型のそれよりも大抵深い所にあります。球根が大きければ、そこからさらに下に生えている根もしっかりしていて、更にその球根自体も抵抗となってしまい、「いける!」と思って、周りを掘ることをやめひっこ抜こうとしてしまうと、大抵球根の手前で切れてしまう。なので、大物(茎が太いもの)は特に丁寧に周りを掘りすすめて採る必要があります。もちろん、時間をかけて丁寧に掘るのもアリですが、これではちょっと効率が悪いです。
ノビルはどこにでも生えている……硬い土に生えているノビルは潔くあきらめ、柔らかい土に生えているノビルを選んで採ることがワリと効率が良い方法なのかなと。理想は、ノビルの周り1、2ヶ所シャベルを土にほぐすように刺しただけでスポッと抜けるもの。一応ご参考まで。
因みに高級魚であるアカムツは、大物は深場にいることが多いです。しかも、口がやわらかいので巻き上げ時にバラシやすく、途中サメにさらわれてしまうこともしばしば。効率よく釣るには、高速巻きでもバラシにくい道具を使って……ノビル採りをやっていると、筆者はなんとなくアカムツ釣りのコツと重ねてしまうのですが、こうして文章で書くとかなり無理がありますね(汗)失礼しました。