陸っぱりライトゲーマーが1年間でロストするルアーの総重量を計算してみた

陸っぱりライトゲーマーが1年間でロストするルアーの総重量を計算してみた

ルアー釣りをしていると、特に釣れないときなんかに思う。「海には一体どれくらい、根がかりしたり、釣り人が落としてしまったルアーが沈んでいるのだろう?」遠い思いだ。妙に感傷的な気分になりながら、戒めにもなる。これ以上ロストしまい。この心がけだけでもむろん環境保護にいくらか貢献できるだろう。では、実際海洋ゴミはどれくらいあるのか?

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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ショア ソルトルアー

海にはどれくらいのゴミが沈んでいる?

はじめに断っておくと、私がネットを調べた限り、世界でどれくらいの「ルアーゴミ」が海中にあるのか、詳細な情報はなかった。世界にはおよそ30億tの海洋ゴミがある、というだけだ。

東京ドーム1個の体積が、124万tである。30億tをこれで割ると、なんとおよそ2419となる。つまり、東京ドーム2419個分の体積のゴミが、世界の海には沈んでいるのだ。まあ私は東京ドームに行ったことがないので、東京ドームの規模感もわからないけれど。

陸っぱりライトゲーマーが1年間でロストするルアーの総重量を計算してみたでもそれよりも海は広い(提供:TSURINEWSライター井上海生)

繰り返そう、「海洋ゴミは東京ドームいっぱいに2419個分」、なのだ。

日本で1年3万tの回収がある

続けて、規模をもう少し縮めて――日本の領海のゴミの話だ。これも限られた情報しかないが、1年で3万tの回収が毎年のようにあるらしい。ざっくりこれを全体量としよう。本当にアバウトだが、情報がないのだから、ここからは想像である。

ルアーゴミはどれくらい?

話の地平を、さて、ルアーアングラー個人におろしてきたい。中でも、私というライトゲームアングラーにしよう。どれくらいのゴミを海中に残してしまっているか?

とはいえ、私は元来ロストが少ないアングラーである。1.5gのジグヘッドを、おそらく年に20コ失くさないが、まあ1.5gを20個で30g。10gのメタルジグを10個、100g。10gのタチウオワインドリグを10個、100g。合計、たったの230gだ。本当にこれくらい。230gならば「たったの」という表現を許してほしい。

陸っぱりライトゲーマーが1年間でロストするルアーの総重量を計算してみたプラグは命がけで守りロストしない(提供:TSURINEWSライター井上海生)

だが、おそらくシーバスアングラーやエギングアングラーや、沖のジギング勢は、さすがにこの10倍はやるだろう。そこで、一人当たり2300gのロストをしているとしたい。それがまるまる海洋ゴミとなる。

日本のルアー人口は、コロナ禍の中で少し増えて、550万人くらいらしい。一人当たりのルアーゴミ2.3kg×人口550万人=1200万㎏。12000tだ。1年に回収される日本の海洋ゴミ3万t、釣り人のルアーゴミ1.2万t。およそ1/3となる。これを釣り人はどう受け止めればいいのか。地上にも少なからずゴミを残すわけだから、問題アリだ。

※これはあくまで概算のため、実情と異なる可能性があります

アングラーとして考えるゴミ処理

国際的な海洋問題として、これから長い時間が流れ海洋ゴミがこのまま変わらない量増していって回収が追い付かなければ、そのうち海はゴミで埋まってしまうらしい。ある種世界が陸続きになるわけだが、バベルの塔でも、笑い話でもない。

釣り人にできることとして、ルアーのロストは、なるべく避けるべし。私は啓発としてこう言うわけではない。腕のいいルアーアングラーは、ロストをしないのだ。キャスト、リトリーブ、回収。ちょっとでも「まずい」と思う箇所は避ける。そうすることでもうロストは目減りするし、無駄打ちしないことから、釣果も伴う。腕のいいルアーアングラーは環境破壊も低減できる、というわけだ。経済的にも痛いロストを避けて、釣りがうまくなる。

陸っぱりライトゲーマーが1年間でロストするルアーの総重量を計算してみたゴミを残さない(提供:TSURINEWSライター井上海生)

むろん、釣り場にその他ゴミを残さないことも大事。もうさんざん言われていることだ。

持続可能なルアーフィッシングを目指して

私がロストを極端に嫌うのは、もともと吝嗇家であることも大きいが、そのたびノットブレイクしてラインを結び直すのが面倒だし、何より自分の下手さを思い知らされる気がして頭にくるからだ。

魚の口にハリをかけたままバラシたときは、魚に申し訳ないし、居着きのやつは次必ず釣って外してやりたいとさえ思う。結果的に魚も環境も守ることができる、釣り人的SDGsに貢献するものではないか、とまでは考えていないけれど。

みなさまもどうか、他人事ではない海洋ゴミの排出にご注意願いたい。海と魚を守ろう。

<井上海生/TSURINEWSライター>