明石沖の青物狙いは、乗合船での釣り方を大別するとジギングとアジの生きエサのませ釣りです。ボート釣りで、ジギングが好きな私ですが、エサ釣りも楽しみます。晩秋から初冬にかけては、小アジ以外に普通にスーパーで売っているヤリイカ等でメジロ(ワラサ)やブリを狙います。そんな青物を、イカをエサにして狙った日でしたが、青物の条件が悪いながら、沖ではめったに顔を見せない珍客が現れました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
イカエサで狙うブリ釣り
活きエサ確保で小アジ釣りに朝の1時間を使うならば、遜色ないエサとなるイカ(胴長10-12cmのヤリイカ)をスーパーで飼うと好都合です。ブリ狙いでは、小さめの甲イカも使いますが、甲イカを口にできる大型だけが対象になるので、小さ目なヤリイカが絶好です。
乗合船によっては、ビッグベイト(甲イカ)でブリを狙うこともあり、なかなか勇ましいのもこの時期です。死んだイカで釣れるのかと思いますが、皮が剥げていない新鮮なものは、まだまだ怪しく光を反射して誘うようです。
結構な喰われっぷりを見せ、群れの回遊があれば活きアジに負けないエサとなり、事前に準備できる便利さもあります。1パック500円くらいあれば、群れから型物を3匹ほど釣ることができる、上々のエサです。
明石沖でボート釣り
海況は波静かな予報。イカも準備でき、意気揚々と明石沖カンタマ周辺へ夜明け前に出航です。
すると、カンタマからさらに南西の海面におびただしいほどの網船です。シラス漁の二艘引きの網漁で、二艘が長い網を左右に広げ、エンジンを轟音で吠えさせながら、ゆっくりと海面を覆うように無数の船が漁をしています。
万事休すです。こんなところに小さなボートの小艇が紛れ込もうものならば、こちらが網で生け捕りにされそうで、退散です。そして、待機をしていると潮の流れが転じる頃、悪夢を見るような網船の大船団は去り、海は穏やかになりました。
しかし、網船のエンジンの轟音と大きな網でかき回された海中に、青物は残っているか甚だ疑問です。ブリ一家の皆さん、顔は強面の兄さんで心臓も大きいですが、意外に臆病者で逃げ足もかなりです。釣り船が集中して、エンジン音や魚探の超音波に反応して消えることも多々あり、今朝はそれどころではない空襲の騒ぎでしたから、少々期待が薄くなります。
58cmカンダイが登場
釣れなければ、これも致し方ないですが、まずはブリ狙いの一級ポイントへチャレンジ。選んだ潮筋、水深50mから30mへのカケアガリを潮に乗せて流し、イカを底から5m上の集餌層に維持します。
ひと流しふた流し反応もなく時間が過ぎます。魚探にはベイト反応はありますが、朝の轟音で縮みあがったか、どこかへ逃げたかのような気がします。
そして、3流し目にアタリが出ましたが、足を突っついたような反応ですが喰い込みません。潮上に戻り再度、今度は水深36mで明確にアタリでサオ先が突っ込み、そこでこん身のアワセを入れます。すると、底層で押さえ込むようにこらえる魚、一瞬根ガカリかと疑うパワーですが、タックルはブリを意識したサオからハリスですので、引っ張り合いです。
ブリと違う動きですが、パワーはなかなかのもの。底を切ると、意外に素直になり、海面に現れたのは、タンコブのあるカンダイでした。思わずおいしいのが釣れたとばかりに喜び、泣き二尺の58cm、少々の的外れながらうれしい釣果です。
青物は不発
遊泳力のある青物が群れていたら、タンコブが喰ってくる暇がなかったでしょうが、カケアガリを巣にするこいつが、ゆっくりとイカを食べられたということでしょう。
こうなると、青物不在は明白で、時間をかけて待つか沖上がりかですが、3日間は晩ご飯のおいしい肴になるのを釣ると、食べたい一心で帰港の途に就きました。防波堤からもスーパーのバナメイエビで釣れる近年人気の型物です。大きいのは、80cmを超えるそうで、最初の一撃の引きは強烈。波止からも釣り応えがありますね。