タチウオ釣りでは、先イトを使用する。タチウオの歯は鋭く、少しでもバイトが深いとラインを噛み切られてしまうのだ。その対策として太い先イトの30lbや40lb、またワイヤーリーダーを使う。一般に先イトといえばリーダーと同じくフロロカーボンのイメージがあるが、ここで疑問がある。ナイロンの先イトは使えないのか?筆者の私見を述べたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
先イトの種類と号数
ショアのタチウオワインドの先イトといえば、まずはフロロの30lbが基準だ。沖釣りでは50lbもある。ショアでも、型が大きくなる晩秋や初冬では40lbも使用する。材質はフロロカーボン、あるいはワイヤーリーダーだ。嫌いな人は徹底的に使わないのがワイヤーリーダーで、アタリが激減してしまうのである。この理由は後述しよう。
強度のlbではなく、太さを示す号数でいえば、大体8号~10号だ。実はこの号数になるとフロロカーボンラインのリーダーは、ちょっと高価になる。30m巻きで2000円くらい。うーん、どうなんだろう?もし可能であれば、どうかすると価格が半分以下になるナイロンラインも使いたい。
ナイロンでもOK
結論からいえば、タチウオに使用する先イトはナイロンラインでも良い。
ナイロンは柔らかいせいで伸びると言われるが、8号~10号12号くらいの太いイトになれば、まったく実感できるほどのものはない。ましてタチウオの先イトとしては15cm20cmなので、これくらいで何が変わるものでもない。
フロロより細い?
ナイロンラインはライトゲームには勧められないラインである。プツプツと切れる。確かに1.5lbや2lbといった細さでは、怖い。伸びるのもわかるし、そもそも極端に軽いリグの使用時は感度も悪くなる。
ただ、太いイトとなるとフロロと差が出にくいのは、上述の通り。
ところで、ここが肝心なのだが、実は、同じイトの強度(lb)ならば、そもそもフロロよりもナイロンの方が細いと言われる。よって、たとえばタチウオワインドにフロロでは30lbを使っているアングラーも、ナイロンを使うならば40lbにした方がいいだろう。そこまで露骨な差はないが、タチウオの歯で切れるか切れないかは紙一重。保険を張って、ナイロンを使う場合はやや号数を上げておこう。
ワイヤーリーダーはなぜアタリが減る?
さて、もうひとつの先イトであるワイヤーリーダーについて。
タチウオゲームでは、ワイヤーリーダーを使うと極度にアタリが減ると言われている。そもそも魚には絶対にラインが見えているだろう。そうでなければ、水中にイトを無造作に通していて、魚にラインが当たらないはずがない。魚は眼で見て避けるか、微妙な水切りの音を聞いてラインを避けている。PEラインは光を透過しないので特に見えやすい。ナイロンやフロロはまあ見えにくいかもしれない。
これがワイヤーリーダーになると、もう完全に怪しいシルエットとしてタチウオの眼には見えているだろう。動かしたときの水切り音も異質な響きのはずだ。よってワイヤーリーダーは、なるべくなら避けた方がいい。
ただ高活性時の入れ食いには、ワイヤーリーダーが推奨される。先イトを切られてそのたびに結び直していては、時合いを逃す。ただ、ワイヤーリーダーだって切られることもあるのだが……。
コスパでもナイロンが勝つ
タチウオの先イトについて。今ざっとネットで価格を調べてみたのだが、コストで見てもナイロンラインはやはり安い。実は今私が使っているのはナイロンの先イトは600円で購入したものなのだが(40lb20m巻き)、その他の同等品ならば、1000円を下るものはない。ワイヤーリーダーは海水に浸けると錆びるので基本的に使い捨て。コスパはよくない。別に単価が高いわけではないのだが。
以上の理由から、タチウオゲームにナイロンの先イトは、「アリ」。積極的に使おう。
<井上海生/TSURINEWSライター>