堤防から楽しめるタチウオのテンヤ釣り。ルアーゲームと融合してライトテンヤという新たなゲームに進化した。最近は混雑を避けてボートから楽しむスタイルが注目されている。今回、ライトテンヤゲームの達人で、アクアウェーブのフィールドテスターを務める市橋貢さんの実釣を通し、このゲームについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・五井貴矢)
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村井丸でライトテンヤ釣行
実釣に訪れたのは8月26日、舞台は和歌山県海南市の湾内。乗船したのは当地のB.L.Tゲームのパイオニア船、海南港の村井丸。3時間ほどのショートタイムで3500円(※2023年9月現在)と、手軽にこのゲームを楽しませてくれる釣り人思いの船長が舵を握る。
出船を前にセッティングを進める市橋さん。テンヤはアクアウェーブのスパークテンヤショートタイプの6gと8gを選択。
これに、頭を落としたドジョウを付属のワイヤーで巻き付け、加えて同社のスパークテンヤ・アシストを装着。
スパークテンヤ…Spark TENYA | Vivanet
スーパークテンヤ・アシスト…Spark TENYA ASSIST | Vivanet
専用設計のこのフックは、主にショートタイプに取り付けるウェポン。鋭いハリ先を備え、高いフッキング率とファイト中の低い身切れ率を誇るフトコロ形状。おまけにフッ素コーティングで貫通力もピカイチだ。
テンヤのカラーは市橋さん肝いりの「番長グロー」。ヘッド本体の色はグローで、ヘッドの側面にワンポイントのホロシール。この反射がタチウオの本能を強烈に刺激する。
早々にタチウオが連発
ポイントは港を出てすぐ。水深は11mで上から7〜8mのところにタチウオの反応があるとアナウンスが入った。
市橋さんは潮目に向かって25mほどキャスト。タチウオの群れは潮目の下を通る。
着水後、テンヤが水面下30cmほどを進むようにロッドを立て、ショートピッチで3回シャクってはテンションフォールを入れる誘いをくり返す。
すぐにバイトがありヒット。その後も破竹の勢いでタチウオを連発する市橋さん。その極意について聞いてみた。
テンションフォールで食わす
タチウオは自分の上を通過するベイトが射程圏に入ってくるのを狙って捕食する。この状況を人工的に再現するのがテンションフォール。
シャクリでタチウオの注意を引き、テンションフォールで射程圏にテンヤを降下させ食わせる。カウントダウンでヒットに必要なフォール時間を測り、タナを正確にとらえることが連発に繋がる。
なお、テンヤを沈下させる速度はなるべくスローが良い。スパークテンヤのヘッドはこれを考慮した形状で、正面から見ると鋭角の三角形。シャクるときは水切れが良く軽快に、フォール時は水の抵抗を受けゆっくり沈む。
テンヤは水平姿勢が命
テンヤの性能で市橋さんが重視しているのが、テンションフォール中に水平姿勢を保てること。小魚はボディを水平にして泳ぐ。また、水平な物体は下から襲うタチウオにとって噛みつける場所が多く食いやすい。
スパークテンヤの開発において、市橋さんはエサとしてのリアルさ、食いやすさを追求。ショートとロング、重量と規格ごとに重心位置を専用に設定し、このテンヤに優れた水平姿勢の保持力を持たせた。ちなみに、ショートはスパークテンヤ・アシストを装着した状態でテンションフォール中に水平姿勢になる。
風対策はワイドなシャクリ?
釣りを続けるなかで風が吹き始め、ラインがその影響を受けるようになった。ここで、市橋さんはワイドにシャクり上げてはラインスラッグを生じさせ、先ほどよりフォールを長くとる誘いに切り替えた。
狙い通り、タチウオがこれに応えてヒット。このアクションには次のような意図があった。
風の抵抗がかかると、ラインに引っ張られテンヤが沈みにくくなる。市橋さんの大きなシャクリは、強制的にイトフケを作り、風による張力を相殺するのが目的。こうすることでフォール速度が風の影響を受けにくくなる。
必要なロッドの振り幅やイトフケの量は一律ではないため、実釣では目印のケミホタルを見て動作を加減しよう。
風や潮流でドリフト
さらに、市橋さんはキャスト時に横風で生じたラインのたわみを利用し、ドリフト軌道で探っていく。1キャストでトレースできる距離と時間を長くし、バイトチャンスを増やせるからだ。この方法でタチウオを次々にヒットさせた。
もちろんドリフトは潮流を利用して行うこともできる。スパークテンヤはこのことも視野に入れ、ヘッドの側面はフラット。潮を受けてドリフトさせやすくなっている。