10年間でスピニングリールはどう進化した? 入門機種でも実用性抜群に

10年間でスピニングリールはどう進化した? 入門機種でも実用性抜群に

スピニングリールは2023年現在、ほとんど進化の限界にまで来たレベルにある。すでに最高到達地点、他方頭打ちともいえるか?何にせよ非常に上質だ。筆者の印象では特に最近のエントリー機種に惜しげもなく搭載されている最新機能は目覚ましい。ここではスピニングリールのここ10年での遷移、機能の充実と軽量化について、褒めちぎっていきたい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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スピニングリールの進化

スピニングリールはベイトリールと比べて圧倒的に使いやすい。釣りの入り口で使うならば間違いなくスピニングリールだ。ライントラブルしにくく、ドラグの性能も高い。常にニーズが高いので、メーカーも機種の更新のたびに仕上げてくる。

ここ10年で何が変わったか?ここ10年のトレンドといえば軽量化と防水機能の充実その他ディテールのエトセトラだ。以下に、主には入門機種を挙げながら詳述しよう。

ちなみに、リールの更新サイクルは1機種3年~4年に一度。10年ならば2回はリニューアルされている。

入門機種で違いを実感

2000番~2500番手までの小型機種を例に挙げて語ろう。

軽量化

たとえば、レガリスという機種だ。この機種は12年~23年までに2回モデルチェンジしている。特に釣り場でよく見かけるのは18レガリスで、今後は23レガリスという最新機種が増えていくものと思われる。重量は12→18レガリスで、2000番ならば220g→190gと30gダウン。そして23レガリスでは、18→23で190g→175gとなる。この10年で220→175gと、45gも軽くなっているのだ。

10年間でスピニングリールはどう進化した? 入門機種でも実用性抜群にかるーい2000番(提供:TSURINEWSライター井上海生)

おおむね45g~50gの肉抜きが全機種で見られると言ってもいい。筆者が以前持っていたエギングの2500番リールでは、今ちょちょっと調べてみると、実にこの7年で70g軽くなっている……。ただハイエンドは10年前から軽かったので、20gくらいの軽量化に留まるが。

「軽さは武器」と言われるリールで、実釣時にももっとも違いが体感しやすい部分だ。

防水機能

この10年、スピニングリールの目標として防水機能の向上がある。D社ではレガリスのひとつ上の機種から防水機能が備わる。スピニングリールでも使い方によっては塩水が中に染みていくことがある。その危険回避と寿命延長とに、防水機能は大きく貢献する。

上位機種の機能

リールは更新機種がリリースされるたびに、ハイエンドの機能がおりてくる。たとえばレガリスならば、2023年モデルでは埋め込み式ハンドルと、ATD-Lというドラグの上質なディテールがおりてきた。またボディにも、2018年までは2つ上のミドルクラスについていた軽量素材がおりてきた。こうした全体の底上げは、惜しげもなく行われる。

あえて弱点が残される部分も

以上のように、特にエントリー機種を使っていると実釣時の「すごい!」という実感は大きなものになる。ただ、エントリー機種には上位機種とのすみわけを意識してか、あえて弱点が残されることも少なくない。

10年間でスピニングリールはどう進化した? 入門機種でも実用性抜群にラインローラーは弱点か(画像は18フリームス)(提供:TSURINEWSライター井上海生)

たとえばレガリスならば、ラインローラーやドラグにはベアリングが入っておらずプラスチック素材のシムだ。自分の手で換装しても高くはないが、こうした部分はまあそれくらいのものと思うしかない。

エントリーモデルが「10年前のハイエンド」レベルに?