第46回のテーマは「クリアレイクで大型に挑戦」。朝からエサ打ちすること8時間以上。ついに吉田の27尺竿が大きく曲がった。しかし。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
ポイント休め直後の一投に賭ける
群馬県榛名町にある榛名湖で大型釣りにチャレンジ中の吉田。3週にかけて記事にしてもウキは動かず、そろそろ読者もしびれを切らしそうだ。
「ホントですよね。情けない限りです。ですがバサーの魚探が魚がいることを証明してくれたので、少しはやる気が戻ってきました。ただあまりにも遠いラインなのが残念です。あと20m手前ならどうにかなりそうなんですけどね」
朝からモジリが出ていたライン(50m以上沖)と魚探に写った魚が同一線上だったことは、たんなる偶然とは思えない。ただしバサーも言っていたが魚種は不明だ。ヘラかもしれないしマブナかもしれない。
正午すぎ、昼食を兼ねて立ち込み台から上がる吉田。デッドスローなエサ打ちでも、さすがに朝から打ち込んでいれば底はきっとエサだらけのはず。並びの釣友たちも小休止しているので、これは賢明な判断だろう。
「もはやポイント休め直後の一投に期待するしかなさそうですね」
そんなことを話していた矢先、30分以上もエサ打ちをやめていたガイドの高西氏が直後の一投で鋭くアワせたが空振り。さらに次投もウキが動くも乗らず、三度目の正直はあるかと期待するも次投はノーピク。
しかしこれがこの日唯一の魚っ気だったので、並びの一同もヤル気モードに。
細心の注意を払ってハリ付けし、これまた絶妙のコントロールでピンポイントにエサ打ち。すべてが完ぺきに決まったポイント休め直後の一投を投じる吉田。しかしウキはピクリともせず、次投もシラーでモチベーションはダダ下がり。
このまま何も起こらず終わってしまうのか。
ついに竿が曲がった
諦めムードが漂いだした13時41分、あぐらをかきながら上半身の屈伸運動をしていた吉田がピシッと竿を立てる。
「何か触ってると思い竿尻に手を添えたらトップがグングンとせり上がってきたんです」
集中してウキを見ていたわけでもなく、このままでは硬直してしまいそうだからと体を動かしていたさなかのアタリ。食い渋りの野釣りではあるあるの光景だが、消し込みではなく食い上げとは珍しい。
いずれにしても27尺×2の先に魚がヒットしたことは間違いない。これでもかと思えるほど慎重にやりとりし、ようやくタマ網に納まる。しかし吉田の顔がさえない。
「うーん……微妙ですがヘラではないですね。関口さん、判定をお願いします!」
吉田がヘラではないと言うのならヘラじゃないんだろ。でも半日以上もかけてようやく手にした魚なんだから、取りあえずは写真を撮ろう。
「わかりました」
本命の顔は見られず
苦笑顔で差しだした黒光りしたその魚体は、吉田が言うとおりヘラではなかった。何となく顔が長いし目も小さい。
でもOKだよ。魚種は違ったけど、うれしい1尾に違いはないでしょ。
「はい。半日かけて食ってきてくれた魚ですから、正直いとおしさを感じるくらいです」
その後、17時まで粘ったが夕まづめのワンチャンスも起こらず、この1尾が並びで唯一の釣果となった。
大型でもなく、しかもヘラでもない。完全にボツ企画ではあるが、言ってみればこれも野釣りのだいご味であり厳しさ。吉田はその両方をわずか1回のアタリで体験したことになる。
「でも、いい釣り場を教わりました。機会があればプライベートでリベンジします。もしよければその時は関口さんもお付き合いください」
オッケー!何度でも付き合うよ。
次回からは「M-1に賭ける意気込み」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
榛名湖