武庫川一文字の落とし込み釣りで良型チヌ3尾【兵庫】釣魚は「フィッシュシェアリング」で寄付

武庫川一文字の落とし込み釣りで良型チヌ3尾【兵庫】釣魚は「フィッシュシェアリング」で寄付

6月下旬、武庫川一文字のターゲットは季節の変わり目を迎えていた。活況の原動力となっていた青物は終盤戦に入る一方で、落とし込み釣り・ヘチ釣りで狙うチヌ(クロダイ)は最盛期。今回は落とし込み釣りとノマセ釣りの2本立てで臨んだ筆者の明暗分かれた釣行記をお届けしたい。

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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

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伴野慶幸

へっぽこ釣り師の伴野慶幸です。尼崎~垂水間の渡船利用の沖堤防 がメインフィールドです。

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ウグイを購入してノマセ釣り

8時の便で船上から「ノマセ釣りのウグイを持って来ています」とのマイク放送が聞こえてきた。チヌの釣果は手にしているものの、当日の本命は青物だったので、次の9時便でウグイを購入してノマセ釣りに切り替えようと決断。

ウグイは常時は船上販売しないので、波止上から武庫川渡船に急遽電話して注文した。ノマセ釣りの準備に取り掛かるが、直近の釣果情報では、青物のタナは底近くということなので、ノマセ釣りのタックルは定番のウキ仕掛けの泳がせスタイルとは異なり、沈め釣りのスタイルとした。

3匹目の43cmのチヌを追釣

ウグイを注文した便が到着するまで、追釣を狙って外向きの落とし込み釣りを再開。すると9時前に、今度は目印仕掛けが落ちるペースが鈍った。

波止際の着生物に仕掛けが引っ掛かったのかと思い静かに竿先を少し動かすと、魚が掛かった。止めアタリへの聞き合わせに偶然なったという形だ。

足元の安全に十分に気を配りながら、慎重に魚を寄せて海面で空気を吸わせ、タモ入れに成功。今度も43cmの良型で、ストリンガーには3匹目の釣果が加わり、写真の撮れ高は十分で大満足。と、ここでふとある思いが頭に浮かんだ。

武庫川一文字の落とし込み釣りで良型チヌ3尾【兵庫】釣魚は「フィッシュシェアリング」で寄付3本目の良型チヌ(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

「フィッシュシェアリング」で寄付

ウグイを注文していた9時便が船着き場に着いたので、空のバケツを持参して船上でウグイ3匹を購入した。

その際に船長に相談すると「チヌなら生きていて身がバンバンやったら受け入れる」との答えだったので、ストリンガーに掛けて生かしておいた45cm、43cm、43cmの3匹のチヌを船上に持ち込んだ。船長は受け入れの段取りを整えて引き取り完了。「ありがとうね」と心に染みる一言もいただいて恐縮しきりだった。

これは、武庫川渡船が社会活動として企画した「フィッシュシェアリング」に対する釣魚の寄付で、活きたチヌ・ハネ(フッコ)、即〆のメジロ(ワラサ)・ブリなどの釣果を鮮度などの条件付きで釣り人から一旦受け入れて、地元のボランティア団体などの「子ども食堂」や食育活動の場などに橋渡しをする仕組みだ。

フィッシュシェアリングの詳細は武庫川渡船のホームページのほか、サンテレビ公式YouTube「釣った魚をおすそ分け “フィッシュシェアリング”」でも紹介されているので、関心のある方はご欄いただきたい。

なお、繰り返しになるが、釣魚の寄付は鮮度などの条件付きなので、いきなり持ち込まず事前に武庫川渡船のスタッフに確認してから行うようおすすめしたい。

ルアーマン2人がブリとメジロを手中

沈黙状態が続いていた波止に活気を呼び込んだのは、9:20頃のルアーマンのヒットだった。ロッドは大きく弧を描き、全身を使ったロッドワークで奮闘する姿が周りの釣り人たちの視線を釘付けにした。

助っ人が現れネットイン。ルアーマンは興奮冷めやらぬ面持ちで助っ人にお礼を言って、見事なブリを手にした。

状況を聞くと、底のタナから巻き上げてくる途中でヒットしたとのこと。さらに10時過ぎに別のルアーマンもメジロを仕留めた。朝の地合いの時間帯から大きく遅れて、青物の回遊が訪れたようだ。

ウグイのノマセ釣りは不発

ルアーマンのヒットに期待感を持って、私もウグイのノマセ釣りを沈め釣りのスタイルで続けていたが、残念ながら不発だった。

ウグイは淡水魚なので、海水の中では活きアジのような活性や耐久性を欠く。青物の活性の高い時間帯に短期決戦で使うと効果を発揮するが、持久戦には向かないようだ。

武庫川一文字の落とし込み釣りで良型チヌ3尾【兵庫】釣魚は「フィッシュシェアリング」で寄付ウグイのエサのノマセ釣りは不発(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

ウグイを使い切った11時に納竿し、波止を後にした。最終釣果はフィッシュシェアリングに寄付した、落とし込み釣りでの45cm、43cm、43cmの3匹だった。

夏場の武庫川一文字の展望

7月、8月の夏場の武庫川一文字の展望を、例年ベースと私の経験で少し書かせていただくと、落とし込み・ヘチ釣りのチヌ狙いは、エサの確保で出来ればという条件付きでメインターゲットの一つと言える。

7月はイ貝だが、波止の壁面からイ貝が剥がれ落ちる8月はフジツボにエサ替わりする。釣りエサ店で購入可能な岩カニでも釣れる年があるので、釣果情報を確認してほしい。

青物は捕食するベイトの変わり目の時期なので、夏は魚影が薄くなるかもしれない。その分、ツバスや大サバ、中アジが散発的に回って来ることもあるので、情報をキャッチしたら即釣行が吉。タコは梅雨明けの7月いっぱいまでが釣期だが、ここ数年武庫川一文字ではあまり振るわない。

高水温が原因となる酸欠の苦潮が回ったらシーズン終了にもなりかねないので、早めの釣行をおすすめしたい。一方で早朝と夕暮れのガシラ、豆アジはファミリーでも楽しめる定番の釣り物なので、夏休みは熱中症・脱水症状対策をして、楽しんでもらえたらと思う。

<伴野慶幸/TSURINEWSライター>

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武庫川一文字
出船場所・武庫川渡船