これから漁師を目指す人、漁業に興味がある人へ就業についての情報発信しているのが「漁師.jp」。今回リアルイベントである【漁業就業支援フェア2023】が福岡・東京・大阪で開催される。主催/全国漁業就業者確保育成センター・事務局長の馬上敦子さんがフェアなどについての詳細をお伝えします。
(アイキャッチ画像提供:全国漁業就業者確保育成センター)
釣り人から漁師へ
2月25日に開催された漁業就業支援フェアで、実際にマッチングして漁師となった城尾晃二さん(35歳)のケースを紹介します。
漁業就業支援フェアに参加した理由
1年くらい前から、漁師になりたいという強い想いを抱き始めました。そのときに、今年の2月に福岡でおこなわれた漁業就業支援フェアを知り、ぜひ直接漁協関係者さんに話を聞きたいと思いフェアに参加しました。
ブースではどんな話を聞いた?
「離島の暮らし」というものにかなり興味があり、離島暮らしの内容やどのような漁があるのか、また、生活設計についても詳しく聞かせてもらいました。
前職を辞めて漁師を目指したのはなぜ?
前職は公務員(自衛隊)でした。もともと漁師にも離島暮らしにも興味があったので、その想いがしだいに強くなり、公務員を辞めるという決断をして、魚島という離島の漁師を目指しました。
実際に魚島での暮らしはどう?
私、釣りが大好きなんです。メインは磯場でのルアー釣りですね。釣り場も近いし、シーバスや青物、アオリイカなど魚種も豊富です。魚島が属している愛媛県越智郡上島町は、瀬戸内海に浮かぶ25の島で構成されており、釣り人にも人気の地域なんです。
そのため、釣り人でもある私にとって、「離島の暮らし」もできて「釣り」もできる魚島は「最高の離島」なんですよ。そのため、どんなに漁の仕事でくたくたになろうとも、釣りには行きます。楽しいんです。
魚島での漁を選んだ理由は?
まず、漁場が空いているところを調べましたね。私の出身は広島県なのですが、比較的愛媛県に近い場所に住んでいたため、愛媛県の漁協についてもよく調べていました。
そこで、「離島の暮らし」もできる魚島での漁を選びました。それに、愛媛県は全国的に見て漁業が盛んで、様々な魚種の漁獲量で日本一を誇ります。そのことも大きな理由ですね。今は、親方のもとで「定置網漁」と「タコ壺漁」の研修をおこなっています。
親方はどんな人?
普段は、よくしゃべる方で、私にもたくさんしゃべりかけてくれます。漁に対して真剣で熱い信念をもって取り組む方なので、かっこいいし憧れますね。
漁師になって一番大変なことは?
やはり、自然との闘いですよね。一歩間違えると命の危険にさらされてしまいますので油断大敵です。常に波や風の状況を読み、どう動くかを考えています。大変ですが、やりがいのある仕事なんです。
塩見さんからメッセージ
どこにでも言えることなのですが、魚島も漁師の高齢化が進み、深刻な問題を抱えています。ただ、魚島は春と冬におこなう「定置網漁」と夏におこなう「タコ壺漁」というシステムが確立していますので、生活していくうえで困ることはありません。
定期船も1日4便出ており、因島まで1時間足らずで渡れます。「離島」と聞くと不便に聞こえてしまいますが、魚島は「便利な離島」なんです。
一度観光で訪れてみてください。イメージが変わると思いますよ。漁業就業支援フェアでは、福岡会場と大阪会場に出展しますので、気軽に声をかけてくださいね。
<週刊つりニュース西部版編集部・防野 孝之>