梅雨前や真夏の渓流エリアは、全体的に渇水となることが多い。元々警戒心の高い渓魚達の身を隠せるエリアが少なくなることで、攻略はより難しい物へとランクアップする。今回は、渓流エサ釣りの渇水期における攻略法を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
渇水期の釣り方
では我々アングラーは、渇水期にどのような対策を行うべきなのか。詳しく紹介していこう。
入渓はとにかく慎重に
水量が減ることで、渓魚達は音・天敵の影に対してよりナイーヴになっている。岩を転がすような音は地面を伝って水中に伝播するため、出来る限り静かに入渓することを心がけよう。可能であれば、影を水面に落とさないよう身を屈めて入渓するのもいい。立ち位置も、普段より1~2歩後ろに立つようにしよう。
ライン・針はワンランク落とす
水量が減って緩くなった流れに馴染むように、ラインはワンランク細くする。針サイズもワンランク小さくしておいた方が、エサをより自然に流すことが出来る。
オモリを軽くする
水深が普段よりも浅くなっているので、根掛かりを避けるためにも、4号や5号といった小さなジンタンを積極的に使おう。渓魚は自分の体高が隠れるくらいの水深(15cm~20cm)があればエサを食いに来る可能性があるので、時にチャラ瀬を流してみるのも良い。また、ノーシンカーでブドウムシやバッタを水面に浮かせて釣る「エサテンカラ」と呼ばれる釣り方も是非試してみてほしい。
渇水期に強いエサを使用する
陸生昆虫(バッタ)やブドウムシ(イモムシ類)は、渇水期に渓魚達が盛んに捕食するエサ。時に草むらでバッタを採集して使用すると、思わぬ釣果を得られることがある。木の下の影になった部分では、ブドウムシや小型のセミが有効なこともあるので、積極的に使用してみよう。
水深がある場所を見逃さない
たとえ小さな落ち込みであっても、その周囲より一段深くなっているだけで渓魚に出会える確率がグッと上がるのが渇水期。小場所も飛ばすことなく丹念に攻めていこう。
季節や状況に合った攻め方を身に着けよう
渓流エサ釣りは、ワンシーズンを通して理想的な環境で釣り続けることが難しい釣りだ。より釣果を得るためには、アングラーが四季折々の変化を楽しみながら、それに適応していく必要があると著者は考える。「もし自分が魚だったら、どんな環境でどう過ごしたいか」という観点を常に持ち、より自然に溶け込めるように工夫すれば、どんな状況であっても最高の1匹と出会うことが出来るはずだ。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>