海でも川でも、釣り場の周りにはたくさんの「食べて美味しい野草」が生えているのをご存じでしょうか。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
野草の美味しい季節
気温の上昇とともに、生き物たちが元気になる春本番。この時期になると野の草たちも、柔らかい新芽を伸ばして美味しそうに見えてきます。そう、春は「野草採り」の入門にバッチリの時期なのです。
当メディア「サカナ研究所」の読者の皆様におかれましては、魚には興味があっても野草に興味がある人は多くないかもしれません。しかし実は「魚採り(釣り)」と「野草採り」は同時に楽しむことができるレクリエーションなのです。
水辺には美味しい野草が多い
川辺や海辺には多くの野草が生えています。そしてその中には食べて美味しいものも多く、セリやクレソン、アシタバのような野菜として栽培されるものも少なくありません。
また、河川敷や海岸は法律上、野草の採取をしても問題ない場所が多いです。基本的に野草採りは私有地で行うべきではないのですが、これらの場所は公有地となっている場所が多いためです。
釣りや水遊びの折、美味しい野草を少し採取して帰ればその日の晩御飯の心配もいらず、万が一何も釣れなかった場合でも楽しく帰宅することができるでしょう。
初心者にオススメの野草と注意点
簡単に見つけて採りやすい水辺の野草の代表としてお勧めしたいのは「ハマダイコン」「カラシナ」「アブラナ」の3種です。これらはいずれも菜の花の仲間(アブラナ科)で河川敷に多く(ハマダイコンは海岸にも多い)、4枚の花びらが十字に広がった花をつけます。
アブラナ科にはキャベツや白菜、大根など様々な野菜がありますが、野草もまたほとんどの種類を美味しく食べることができます。柔らかい葉や茎、蕾を食べると、大根のような爽やかな辛さや香りがあって美味しいです。
このほか海辺ならアシタバ、ツワブキなどの野草もメジャーな山菜として知られています。これらは野菜として八百屋さんで売られており、味の良さは折り紙付きです。
いずれも一般的な山菜なので、植物図鑑やウェブサイトに特徴や写真が載っており、よく特徴を確認すれば間違えずに採れるでしょう。ただし、ちょっとでも違和感があったり不安があれば決して採らないでください。
判別に当たっては、ただ「見た目が似ている」というだけで採ることはお勧めしません。花びらの枚数や葉に生えている毛・トゲの有無など判別ポイントは多いので、図鑑に書かれているその野草の特徴を、ひとつひとつ丁寧に確認すると、食中毒事故を防ぐことができるでしょう。
また、私有地に立ち入っての採取ももちろんNGです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>