乗っ込みクロダイ(チヌ)カカリ釣り徹底解説 【タックル・エサ・釣り方・釣り場】

乗っ込みクロダイ(チヌ)カカリ釣り徹底解説 【タックル・エサ・釣り方・釣り場】

今回は、私のこれまでの経験などを基に今シーズンの乗っ込み期予想、展望や攻め方などを詳しく解説したい。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

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イカダ&カセ 海釣り施設

ポイント運が最重要

乗っ込み期のクロダイが釣れてくるパターンは、一日ポツリポツリとアタリが出るというものではなく、突然アタリが出てしばらく気配が続き時合いは終わり。そしてまた突然アタリがきて終わるといった短い時合いが何度か到来するパターンが多い。これはこの時季のクロダイの行動パターンによるものと考えられるが、数匹あるいは数10匹のグループを組み、移動を繰り返す。

もう20年以上も前になるが、ビデオ撮影で三重県・的矢湾の相差(現在は釣り場なし)でのこと。千鳥ケ浜というポイントにカセを掛けて釣りをさせてくれたのだが、水深は5m程度と浅い上に、澄み潮で海底までクッキリと見える状態。

ふと見ると海底の底かしこで何かがうごめいているので目を凝らしてみると、それらは全てクロダイ。10~20匹の群れがせわしなく海藻に身を寄せてみたり、海底の何かをついばんでみたり。とにかく1カ所にとどまることはない激しい移動だったが、かなりの数が釣れた。

そのポイントはよほどクロダイにとっては好エリアになるようで、安定して釣れ続いたが、乗っ込み期のクロダイは産卵を意識しながら、全ての行動が短調であると考えておこう。

「モーニング」で探りを入れる

イカダ、カセの釣り座が決まればダンゴを作ったりする前に、まずは「モーニング」で、ひと通り探りを入れてみよう。ボケが入手できたのなら、乗っ込み期のモーニングはボケに勝るものはないが、入手不可ならオキアミでも構わない。

乗っ込みクロダイ(チヌ)カカリ釣り徹底解説 【タックル・エサ・釣り方・釣り場】 カカリ釣りのまきエサを用意する(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

水深や潮流に合わせて底が取れ大きさのオモリを打ち、中層や底に何がいるのかを確認しながら直下や周囲を丁寧に探っていく。前日に釣り人が入ったポイントなら、早朝のひと時だけ回遊してくる徘徊組が結構多い時季なので、モーニングは取りあえず試しておきたい。

群れを足止めしよう

30~40分、ひと通り探り終えたら正攻法、ダンゴ釣りにスイッチする。ベースのさしエサはオキアミで、近くを回遊してきたクロダイの群れに対して興味を引くステージ作りを心がけよう。

スタートは2~3分の短いスパンで打ち返し、エサ取りやボラの寄りを感じるようになったら、3~5分と長めのインターバルに変更。誘いをかけたりするより、さしエサを同じところに留めることを優先する。根掛かりがない海底ならタナをプラスにして、じっと置いておく方法がいいだろう。

前述したように、クロダイの行動はとても気まぐれ。うまく1匹のクロダイが仕留められたら、「スカリをセットして……」なんて時間を取られている間に、群れはサッサと他へ移動してしまう。素早くセットできるストリンガーか、あるいはオケに海水をくみ、取りあえずはそこに泳がせておき、すぐに次の1投を入れる。このとき、足止めダンゴは忘れずに!

特攻エサ「ボケ」

最後に春先の特効エサであるボケについて。ボケはあの色や動きがクロダイにとってたまらない魅力。だが高騰や入手困難も進み、昔のように簡単に使うことはできない。もし入手できたら、モーニング時や良い時合いのとき、鮮度良く使用するよう保存方法も考えておきたい。直接氷が当たらない処置や、海水で保存する場合も小まめな水替えを忘れずに。

そしてせっかくのアタリ、絶対に早アワセは禁物だ。ボケエサはオキアミなどに比べ、大きくて食い込みには若干の時間を要する。オキアミと同等のタイミングでアワせていくと必ず失敗するので、慌てることなく十分に食い込ませからアワせるようにしたい。

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