クロダイ狙いのフカセ釣りが大好きな筆者が「フカセ釣り」にハマったきっかけは、中学生の頃に出会った師匠の存在です。師匠と一緒に何度も釣りをして多くの感覚を身に付けて覚えると同時に、フカセ釣りで大事なポイントや意識をたくさん教わりました。今回は、師匠から教わったフカセ釣りのポイントを、きっかけとなったエピソードを交えながら紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉本隼一)
固定概念が変わる経験
師匠の影響もあり学生時代から現在までクロダイフカセ釣りに没頭してきましたが、フカセ釣りを始めたばかりの頃にあった固定概念の払拭や、繰り返し釣行することで得られた経験が現在も活かされています。
どの釣りに限ったことでもありませんが、やってみたい釣りがあれば思い切って挑戦してみると、様々な発見や今までの認識を一気に覆すようなチャンスに恵まれて、釣りの世界がさらに広がるかもしれません。
道具への考え方
師匠との出会いで特に変わったのが、ウキやオモリといった道具への考え方や、釣りをする上での意識です。今では当然の感覚も、もし師匠と出会っていなければ存在していない可能性もあります。そう考えると、師匠には今でも感謝しかありません。
特に「ウキは浮かべてアタリを取るもの」というイメージが覆されたのは、師匠の仕掛けと釣り方を見てからです。ここからは、当時の筆者が師匠から教わったフカセ釣りのポイントを、きっかけとなったエピソードを交えながら紹介します。
ウキは浮かせて使うだけじゃない
フカセ釣りを始めた当初は、フカセ釣りのウキも海面に浮かべてアタリを取る道具として認識していました。テレビや書籍で見たフカセ釣りのイメージが強かったのか、水面に浮かぶ円錐ウキが水中に引き込まれてロッドが大きく曲がるというイメージが固定されていたようにも思います。
しかし、沈め釣りを得意としていた師匠はウキを浮かべるどころか、過負荷のオモリをつけてウキを沈めて釣っていました。そして、ウキを沈めている師匠には次々と魚がヒットするのにウキを浮かべている筆者には全くアタリがありません。
当時の筆者は不思議に感じて師匠から理屈を教わりました。これ以降、ウキやオモリなど道具一つ一つへの考え方が変わり、ウキであれば「アタリを取る道具」から「アタリを取り、仕掛けを潮に乗せる道具」という認識になったのが印象的です。
まきエサはこまめに撒く
まきエサの切れ目は縁の切れ目という言葉もあるように、フカセ釣りではまきエサが非常に重要です。師匠から教わったのは、せっかく良いまきエサを用意しても撒かなければ魚は食ってこないという意識。
集中力が切れてくるとついまきエサを撒く手が止まったまま釣りをしてしまうことがよくありましたが、その間もまきエサをこまめに撒いている師匠のタックルには何らかの反応があります。
このような出来事を何度も経験し、釣れない時間や反応が少なく流す時間が長くなっても、こまめにまきエサを撒き続ける重要性を強く意識するようになりました。
最後まで諦めない
アタリがないと集中力が続かずに諦めてしまいがちです。もちろん、見切りが大切な状況は多くありますが、それ以上に最後まで諦めない心持ちを師匠の釣りから教わりました。
アタリが無くても諦めずに最後まで本命を狙い、最後の最後に起死回生の1枚をキャッチする様子を頻繁に目撃しています。筆者もこの心持ちで釣りをするようになってから、不思議とボウズ覚悟の状況から最後の1投で土壇場の本命をキャッチする機会が増えたのはとても印象的です。
<杉本隼一/TSURINEWSライター>