アマゴやヤマメ、イワナといった渓魚は、エサ釣りでもルアー釣りでも楽しむことができる。では、「最初の1匹が釣りやすい」のは、はたしてどちらだろうか。彼らの生態を考えたうえで、考察していく。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
ルアー釣りのメリット
では、疑似餌であるルアーのメリットを考えてみたい。
軽装で行ける
渓流用ルアーロッドは、5~6ftと短さが最大の特徴で、非常にコンパクトである。これにハイギアのリールと、あらかじめ買い揃えたルアーボックスがあればOKだ。
仕掛けをつくる手間もなく、現地でルアーをセットするだけなので、移動を含め手返しが非常によい。
エサ採りの時間が不要
そもそも、あらかじめルアーを買いそろえているため、ポイントへ直行できる。エサ採りの時間がいらないだけでなく、「エサが採れないかも」と悩まなくていい。
ポイントへの対応力が高い
遠いポイントへもリールのおかげでキャストすれば届く、小場所でも竿がコンパクトなので扱いやすい。
リアクションバイト狙い
多少スレた渓魚でも、目の前を通せば「鬱陶しい」と感じて、襲い掛かってきてフッキング!ということがありえる。とくにイワナは、気性が荒いのでこのケースが多い。
ルアー釣りのデメリット
ルアー釣りのデメリットも、あわせて考えてみよう。
反応しないときがある
疑似餌のために警戒されやすい。
ときにルアーでは釣れないポイントでは、生きエサならヒットする、ということもある。これはどの釣りにもいえる、疑似餌の宿命だ。
ルアーが高価
精巧につくられているルアーは1個1個が高価。1個当たり数千円のものもザラにある。
仮に根掛かりやキャストミスでロストしたときのダメージと、環境への影響が非常に大きい。もしラインブレイクしたら、可能な限り回収しておきたい。
ある程度のストローク幅がほしい
キャストしてから数巻きで回収できてしまうような小場所は、そもそもアクションをつけられないので釣りにならない。
やはりそれなりの川幅や水深が必要となるため、小場所はある程度スルーすることになる。
アクションに技術がいる
流れが複雑で、かつ底が荒い渓流では、アクションをつけるのにそれなりの技術が必要だ。気をつけないと一瞬で根掛かりしてしまうが、こればかりは経験しないとどうしようもない。
あなたが思う「好きな釣り方」で釣果を伸ばそう!
どちらの釣りにも一長一短がある、ということがお解りいただけたのではないだろうか。
一見、生きエサのほうが有利にみえるが、エサ釣りを楽しむにはそれなりに時間がかかるし、ポイントの絞り込みはより重要だ。
反面、ルアーの場合は手軽に行けてサクサク釣り歩けるが、ルアーはコストがかかるうえに、そもそも反応しないことだってある。
なので、自分自身が思う「こちらのほうが得意!」「こちらのほうが楽しい!」と感じられる思い思いの釣り方で楽しんでみてはいかがだろうか。釣りに「正解」はないのだから…!
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>