2月に入ると渓流釣り解禁に向けて、仕掛け作りなどの準備に余念がない時期だと思う。太公望の真の正月というべき3月1日の解禁日に向けて、ノベザオとエサを使用したヤマメ釣りを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)
振り込み
ヤマメの居場所を読んだら、限られた距離を、速やかになじませ、底波を流さなければならない。ヤマメの体長の約2倍以内の範囲で捕食するといわれている。狙った流れから外れないように、忠実かつ自然に流さなければならない。
サオの振り込み方法はいたってシンプル。ガン玉付近を左手でつまむ。次に、サオ先側3分の1を曲げて、サオの弾力を利用し、サオを振り込んだと同時につまんだ左手を離す。
投入先は、底波にいるヤマメの口元へ届けるように、やや上流に仕掛け投入する。仕掛けが着水する直前に、サオの動きを止めて、仕掛けを張る感覚で投入すると、エサ→オモリの順に着水し、イトがらみや着水音を低減できる。振り込みは、大まかに頭上空間のある開けた流域ではオーバースロー、頭上に木々のあるエリアでは、アンダースローで振り込む。
粘らずテンポよく釣る
ヤマメ釣りはリズムの釣りだと思う。また、釣り場の見切り方も重要である。仕掛け作りも、現地では行わない。野外の風の吹く中の作業は、効率悪く、釣れる時間を逃してしまう。
仕掛け作りは、前日までに何巻きも作成しておき、現地では、速やかに交換できるように備えておきたい。
ヤマメ釣りは、基本的に下流から上流へと釣り歩く(遡行)。同じ筋への仕掛け投入は、2~3回流せば十分。ヤマメがいれば、1、2投で何らかのアタリがでる。よって、タナを頻繁に変える淵釣りや大物狙いでない限り、ひとつのポイントで粘る釣り方はしない。アタリがなければ、他のポイントを狙いながらテンポよく遡行していく。
通常、ヤマメは良型が最初に釣れて、次第に小型化していく傾向にある。これは、ヤマメの世界において、力関係で成り立つ階級社会であり、強くて大きなヤマメがエサの流下量の多い1級ポイントやエサをわれ先に支配しているからだ。
このように、数や型を揃えるためには、その場に居着かず、新たなポイントを狙ったほうが効率的である。
<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>