釣り人にとって冬の間はオフシーズン?いやいや、冬こそ旬の釣りもいっぱいある。その中の1つが、人気上昇中のエリアトラウトだ。今回は1月19日に愛知県一宮市の木曽川分流にある北方川釣り体験場(北方マス釣り場)へとお邪魔した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)
一日の始まりは放流狩り
北方マス釣り場では、基本的に毎朝オープン直後の8時すぎに魚の放流がある。放流直後というのは最も魚を釣りやすいため、釣りを始めていきなり当日最大のチャンスタイムがやってくるわけだ。なので出遅れたり準備でもたついてチャンスを逃すのは非常にもったいない。しっかりと放流に間に合って、釣りができるよう心がけたい。
放流直後で最も釣れる釣り方は、ずばりスプーンを使った「放流狩り」。使うスプーンの重さは1~1.5g前後で、カラーは赤金やオレンジ金が定番中の定番。スプーンなら何でもいいわけではなく、放流に強いとされるスプーンがベターだ。
実際に釣り場でよく使われる商品の具体例を挙げると、ファクター1.2g、バンナ1.4g、ノア1.5gなどが人気のスプーン。確実に釣りたければぜひ用意してほしい。
「レンジ」と「スピード」
釣り方としてやることは「投げて一定速度で巻くだけ」と実にシンプルだが、釣るために必要な要素がある。それは、「レンジ」と「スピード」だ。まずレンジだが、放流されたばかりの魚は基本的には表層近くを泳ぐため、ルアーが着水したらそのまま巻けばOK。
しかし、冷え込みなどで水温が下がると魚が潜ってしまうことがある。そんなときは少し沈めたり、重いスプーンを使って魚とレンジを合わせて対処したい。
スピードについては、魚がルアーに追いつける速度でリールを巻くことが非常に重要だ。いくら魚に食い気があってルアーを積極的に追っていても、魚の泳ぐ速度以上で巻いてしまっては釣れるはずのものも釣れなくなってしまう。ちなみに最近の北方マス釣り場では、1秒でハンドル1回転以上の速巻きよりゆっくり巻いた方が良い。スプーンがきちんとアクションし、なおかつレンジをキープできる巻き速度で、できるだけ遅めに巻くのがオススメだ。
私の具体例だと、C2000番ノーマルギアのリールを使って、1.5~2秒でハンドル1回転ほどで巻くことが多い。
当日も朝一番にバンナ1.4gを投げて数匹のニジマスをキャッチすることができた。
カラーローテも重要
この放流狩りというのは、効果がいつまでも続くわけではなく、時間とともに収束していく。時間にして30分前後で反応が落ちることが多く、短いと15分、長くても1時間ほど。魚の泳ぎはだんだんゆっくりになり、放流直後は抜群に効く赤金・オレ金も見切ったり嫌がるようになる。
そんなときはスプーンをローテーションして対処したい。ゆっくりになった魚の速度に合わせるため、スプーンの重さは軽く、カラーは「明滅系」と呼ばれる表が明るい色で裏が暗いベタ塗り色のツートンカラーに替えるのがセオリーだ。
このタイミングにオススメのスプーンが、マーシャルトーナメントタイプ1(0.9g)だ。このスプーンは最近めっぽう釣れており、私もバンナからマーシャルトーナメントに変更して、また数匹追加できた。
ここまでで釣った魚は10匹に足りない程度。普段であればもっと釣れることが多く、正直言って反応が良い日とは言えなかった。しかし取材日に釣れる日を選ぶなんてことはできないので、渋い日なりの攻略を目指すことにした。