釣り人にとって冬の間はオフシーズン?いやいや、冬こそ旬の釣りもいっぱいある。その中の1つが、人気上昇中のエリアトラウトだ。今回は1月19日に愛知県一宮市の木曽川分流にある北方川釣り体験場(北方マス釣り場)へとお邪魔した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)
渋いときほどクランクベイト
次に私が選んだルアーはクランクベイト。クランクベイトのいいところは、渋い状況でのスプーンで魚を釣る難易度が10とすればクランクは5程度と、とにかく簡単なこと。
理由としては、スプーンだと動きやスピードやカラーや巻き方などをシビアに魚のストライクゾーンに当てはめていかないと反応が得られにくいのに対して、クランクのストライクゾーンはスプーンよりも広く、ある程度これぐらいでいいかな?で釣れてしまうからだ。
これぐらいでいいかな?の内容は、魚の反応する「レンジ」で、魚が反応する「アクション」で、魚が反応する「スピード」で巻くことができればOKというもの。
クランクにはそれぞれに潜る「レンジ」が設定されており、巻くのが速すぎたり遅すぎたりしなければ、誰でも一定のレンジを保って引くことができる。北方マス釣り場は浅いので、シャローランナー、ミディアムランナーがちょうど合うだろう。
数種類のクランクを
クランクの「アクション」にもいろいろ種類があるが、ここ最近の実績ルアーとしてはバナナ型のニョロ系と呼ばれる、ペピーノMR、なぶクラSR、ガメクラなど。小粒のものでプリッキー、フラパニ、クランク33ウネアール。ミノーシェイプのものでイーグルプレーヤーMR、グラスホッパーが好実績だ。
クランクはカラーよりもアクションの重要性が高いため、1つのクランクだけで何色もカラーバリエーションをそろえるよりも、色は1色ずつでもいいので違う種類のクランクをそろえた方が状況に対応できるだろう。
「スピード」を合わせる
この日は魚の追いが鈍く、追いかけてきてもふらふらと勢いがない。そのため、クランクの「スピード」も遅くして合わせていくと、次々口を使うようになった。具体的な巻き速度は2~3秒でハンドル1回転ほどのスピード。速く巻いても魚が追いつかないだけなので、ゆっくり巻くことを心がけた。
ゆっくりスピードで扱いやすく、この日反応が良かったのがガメクラとプリッキーとペピーノMRで、MVPと言える活躍をしてくれた。
カラーはガメクラとペピーノMRは蛍光ピンク、蛍光緑などの派手系カラー、プリッキーは逆に地味系カラーが良く、スレさせないようにローテーションしていった。
「巻きの加速」でスイッチ
浅い第1ブースをメインにしていたため、偏光グラスでサイトフィッシングをしていたが、この時のコツを1つ。
魚が追ってくるのが見えても、巻き速度を緩めたり止めてしまうのはNG。逆にほんのわずかに巻きを加速させることで、スイッチが入って食うことが多いので試してみてほしい。加速具合は通常のスピードが100だとしたら、105ぐらいに上げる程度のものだ。
アタリはガツンとはっきり伝わってきたり、モソッと重くなるだけだったりとさまざま。分かりにくくても何かしらの違和感は出るため、怪しいと思ったらフッキングしてみよう。
フッキングはリールを巻きながら、グイッとロッドを引き寄せるような巻きアワセが基本だ。
渋いなか36匹ヒット
夕方までクランクをどんどんローテーションしていき、ポツポツと釣れ続く形で計36匹をキャッチすることができた。状況としては渋く食いが浅かったため、バラした数は多数……。状況が良ければもっともっとキャッチできていたと思うが、渋い日でもこれだけ魚が釣れるクランクベイトの威力というのは伝わったのではないだろうか。
今回は放流狩りと渋いときのクランクベイトを紹介したが、4月上旬までの営業シーズン中いっぱい通用する釣り方なので、皆さんの釣りの一助になれば幸いだ。
<週刊つりニュース中部版 松尾尚恭/TSURINEWS編>