筆者のホームグラウンド「清水港」は、真冬でも港内でクロダイが狙える魚影の濃さが特徴です。カセ釣りのイメージが強い場所ではありますが、冬期は岸壁からフカセ釣りで狙う釣り人も多くなります。食い渋ったクロダイに違和感を与えにくいフカセ釣りの仕掛けは冬のクロダイ釣りにピッタリです。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉本隼一)
冬のクロダイ釣り
冬のクロダイを狙うなら食い渋りへの対策が必要不可欠。アタリが出てもモゾモゾとするだけ、居食いが多発するような状況は日常的です。エサの使い方や仕掛けの一工夫で釣果に差が出やすいのは真冬のクロダイ釣りならではの難しさであり、面白さでもあります。
2023年は厳しいスタート
清水港の2023年のクロダイは例年と比べて厳しいスタートになりました。アタリの少なさが目立ち、釣果情報は散発的に聞かれるもののどれも厳しい情報ばかりです。岸壁だけでなくカセ釣りの釣果情報を見ても苦戦を強いられているのが分かります。
想定される要因
断定はできませんが、想定される要因として挙げられるのは水温の変動、魚の絶対数、季節外れのエサ取り集団の3つです。水温の変動と個体数の増減による不調はまだ理解できますが、厳寒期にもかかわらずアジとチャリコ(マダイの幼魚)が依然として多いのは想定外です。
一時よりアジは落ち着いて少なくなった一方で、チャリコは依然としてコマセに群がってきます。ここまでたくさんのチャリコがいるのは直近数年間で初めてです。チャリコも1匹あたりのサイズが大きければ嬉しいのですが、残念ながらどの魚も手のひら以下のサイズばかり。今後成長して立派なマダイに育つのに期待です。
シーズンが進み2月に入ると海の状況が変化する可能性も考えられるため、今後もこまめに釣行して情報をつかみたいと思います。
有効な攻略法
状況が好転するまでの攻略方法として有効なのが以下の4つです。
1、情報収集
今シーズンは特に重要で、釣れている場所と釣れない場所の差が大きいため、釣れている場所の情報収集が釣果への鍵になります。過去の実績よりも直近の状況を優先してポイントを選定するのがオススメです。
2、エサ取りが少ない場所
場所によってエサ取りの濃度がかわるため、アジやチャリコの邪魔が多く釣りにくいのであれば早めに場所移動するのが効果的です。一度コマセに寄ってしまうと回避するのが難しくなり、結果的にタイムロスになってしまいます。
3、仕掛けは安定重視
元旦から数回釣行して様々な仕掛けを試したところ、軽い仕掛けで流すよりも棒ウキや重めの仕掛けで安定させる方がアタリを多く出せました。広範囲を動き回らずにエサを撒いた狭い範囲のみでエサを食べているのか、ピンポイントをじっくりと攻める作戦が有効になりそうです。
4、ハリスの号数
ハリスの号数を落とすのに抵抗がある人も多いとは思いますが、あまりに反応がなければ一度試してみると違った結果が得られる可能性も。実際、元旦以降の釣行ではハリスを1.5号から1.2号に落とした途端に食ってきたケースが度々ありました。タックルバランスや自身の腕にもよりますが、最終手段として試してみるのも起死回生の1枚に繋がるきっかけになり得ます。
<杉本隼一/TSURINEWSライター>
清水港