12月9日、今シーズン初の磯フカセ釣りに三重・紀北町へ出かけた。大型にあっけなくハリスを飛ばされる場面もあったが、42cmの納得サイズをキャッチすることができたので、その模様をリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター田中耕二)
海琴丸で三浦の沖磯へ
面白い釣り場があるからという釣友のSさんの誘いで、三重県の紀北町へ磯釣りに出かけた。三浦地区から出る海琴丸は、2022年の春に営業を開始した新しい渡船屋で、スズ島周りと沖の黒岩に渡すとのこと。尾長が多いとの嬉しい情報を聞いて12月9日に訪れた。
午前6時過ぎ、まだ暗い港を出て船はスズ島周りの磯に1人を渡し、沖の黒岩に向かった。黒岩は、本島とハナレから成る大きな磯で、この三浦と隣の地区からも渡す。北側一帯を三浦から、ハナレを含む南側一帯は隣の地区の渡船屋が渡す。黒岩本島は、南北で境界線がある訳だが、お互いの釣り客がいなければ行き来していいなどのルールがあるので、渡礁される際は船長に確認されるといいだろう。
黒岩の東に渡礁
やがて日が昇るころ、Sさんと私は東と呼ばれるポイントに渡礁した。実は、黒岩のハナレには乗ったことがあるのだが、この黒岩本島は初めてなので、Sさんからレクチャーを受ける。東は、船着きとハナ、ガチャガチャ、東のハナレと呼ばれるポイントがあるそうだ。北東に流れる潮がいいらしいが、見た感じでは潮は動いてなさそうだった。大潮の満潮だったので、東のハナレは波を被っていたので、私が船着きにSさんが東のハナに釣り座を取った。
さて、実に7ヶ月ぶりの磯釣りである。色々忘れているルーティーンもあってSさんに相当遅れての竿だしとなった。Sさんによるとエサは取られることはなく、巻きこむように左に流れているとのことだ。タックルを用意しながらまきエサを入れていたが、エサ取り1匹出てこない。それにかなり深い所まで見えているので、澄潮のようだ。水温は19.5度とのことだったので、本来はもっと魚の活性があるのだが……。もう始める前から苦戦が予感された。
エサも取られず苦戦
右のサラシの切目に仕掛けを入れると意に反して左に流れる。西に流れている訳で、よくないと聞いていた潮の向きである。エサ取りがいないと聞いたので、深ダナ狙いで2Bのウキを4ヒロにセットしていたが、直ぐに5ヒロまで深くした。最近は、0とか00とかの仕掛けが流行っているかもしれないが、得意な仕掛けは2Bとか3Bでしっかりとタナを取るオールドスタイル。
流れは左(西)に向いている。このままでは、西の釣り人のまきエサ役なんだが、その西でも竿が曲がる雰囲気はない。まったく、久し振りの磯釣りなんだから、優しくしてほしいもんだ。
潜り潮発見でイガミ登場
打開策は無いかとアレコレ試していると少し遠投して西に流れた地点に潜り潮を発見。ウキがそこまで流れるとジワジワと沈みだす。魚が出てくるならそこだなと狙いを決めてまきエサをコントロールしてさしエサが流れるタイミングと合わすと、ス~とウキ入れ。もらったとアワセを入れたが、素バリを引かされた。
潮の加減だろうか、いや今のは絶対に魚の仕業だと同じポイントに流し込むとス~とウキが入る。じっくりと待って穂先が曲がり込んでからアワセを送るとゴツン。よしよし食わせたと喜んだ
36cm口太グレ登場
本命はお留守かなと思ったが、潮の向きが少し前(北)に出るようにかわった。あれ?これ来るんじゃないかと昔取った杵柄が囁く。ウキ止めがウキを押さえたら少し戻してハリスを伸ばしてやり、さしエサ先行を意識して潮に乗せて行くとユラユラとウキが入った。こいつは本命だと確信してロッドを立てると、グンと重みが乗り足元に締め込んでくる。久し振りのグレの引きを楽しんでタモに収めたのは36cmの口太でにんまり。このしてやったり感が、グレ釣りの面白いポイントだと思う。
当然、連発を期待するのだが、ウキがユラユラと入れども素針を引かされたりさしエサが潰されて上がってきたりと食わせきれない。たまらず磯フロロ1.75号にハリスを落としてウキをG2と軽くした。