イワナ/アメマスが鱒類の中で最も好きという、渓流ルアー釣り愛好家の筆者。北海道で10~11月にかけて行った複数回の釣行の末に46cm大イワナに60cmアメマスと対面できた模様をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
朝駆け最終日で60cmアメマス
翌日は休日、別の河川で40upを2尾キャッチして迎えた朝駆け10回目。11月に入り朝の冷え込みもいっそう厳しく布団から出るのがきつくなってきたので、この日が今シーズン最後の朝駆け。最後は一番の実績ポイントであるあの淵を含む区間に向かいます。
またいつものように尺クラスのアメマスをぽつぽつ拾いながら到着した淵をよく見ると、下流のカケアガリのボトム付近に40cmクラスのアメマスが小型とともに佇んでいます。狙いをその個体に定めアップクロスで対岸エグレにキャスト、ミノーをドリフトさせながら沈めてトゥイッチをかけます。
エグレの最深部はこちらからは見えませんが、うっすらと黒い何かが翻る様子が見えた瞬間、強烈な重みとともにミノーが押さえ込まれます。反射的にロッドを煽ってフッキングすると、グイグイ絞り込まれていくロッドティップ。PEラインを通じてグオングオンと音が聞こえそうな首振りが手元に伝わってきます。
落ち着いてドラグを調節し、角度に気を付けながらロッドを立ててラインテンションを保ちいつでもすくえるようにランディングネットを足元に置いてアメマスのダッシュをいなします。
表層まで上がってくると、その巨体を振り回し水面は爆発状態。ランディングネットの全長より大きな個体、ここでミスるともうこの日は台無しになる、まさに天国と地獄の境目。一進一退の繰り返しの後、なんとかアメマスの頭をネットに入れ体を押し込みようやく確保。薄く紫がかった鈍い光でコーティングされた赤茶色のボディに散らばった白点、ワニのように発達した顎に白からオレンジのグラデーションに縁取られたヒレを持った素晴らしいアメマスでした。
いつまでも見ていたいほど美しい個体でしたが、サクッと撮影を済ませてリリースすると水飛沫をあげて淵の底に潜っていきました。極太60cmという今年最後の朝駆け釣行を締め括るにはこれ以上ない最高の結果に意気揚々と出勤するのでした。
アメマスにはますます惹かれるばかり
アメマスを年中狙っていながらシーズン終盤の頃を迎えるたびに改めてこの鱒の魅力に惹かれるばかりです。アメマスは太古の昔から脈々とそのライフサイクルを繰り返す純粋な国産トラウトであり、環境の変化にも対応し時には遡上の邪魔をする堰堤をも超えていく生命力には驚かされるばかりです。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>