『PEライン』がジギングに必需品のワケ 伸び率・強度・比重を考察

『PEライン』がジギングに必需品のワケ 伸び率・強度・比重を考察

新たな素材の登場などで、釣り業界に度々起こる技術的革命。なかでも『PEライン』の登場は相当なものだったようです。今回は、長年ジギングを嗜んできた筆者が、同釣りにおけるPEライン登場のインパクトや恩恵を説明します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)

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堀籠賢志

フライフィッシング、バス、シーバス、鮎釣りなど様々な釣りを経験。現在はジギングとイカ釣りを広く楽しんでいます。東北地方の面白い釣りを紹介する事で震災復興に繋げたいという熱い気持ちで活動中。

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ラインの「伸び率」

ナイロンラインの伸び率は25~35%、フロロカーボンラインは20~30%と一般的に言われています。PEラインの伸び率は4~5%です。1mのナイロンラインを引っ張れば、破断するまでに25~35cm伸びるわけです。

PEラインの4~5%の伸び率はほぼ伸びないと言っていいほどの数値です。PEラインの伸びない特性はそのまま感度に直結します。魚からのシグナルや海底の底質までよく分かるのは、PEライン使用の大きなメリットです。

伸びないのは、フックセット時にも好都合ですし、ジグをアクションさせやすいとも言えるでしょう。

ラインの「強度」

PEラインは強度も優れています。直線強度は、同じ号数ならナイロンやフロロカーボンと比較して3倍程度、強度が高いです。

ただし、結束強度はナイロンラインの80%に対して、PEラインは40%程度しかありません。PEラインの結束方法に複雑なノットが多いのは、この結束強度のデメリットを補うために創意工夫がされているためです。

『PEライン』がジギングに必需品のワケ 伸び率・強度・比重を考察SLJは極細PEラインの賜物(提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)

ラインの「比重」

比重は水より軽い0.98程度ですので、PEラインは水に浮きます。アユのトモ釣りではチャラ瀬の泳がせには好都合、磯釣りでは浮いたラインが使いにくいなど、使用する釣りによってはデメリットとなることもありますが、その他のメリットの多さを考えれば、比重の軽さは大きな問題になることはないと思います。

多くのジガーの功績も

PEラインがジギングで主流になったのは、低伸度でジグを動かしやすいことが1番のメリットだったと思います。ショートロッドで軽くジャークするだけで、ジグがよくアクションするわけですから、それまでのジギングそのものを根底からかえるほどのタックルの進化だったと思います。

PEラインの進化に伴って、デメリットを克服するためのノットの進化があり、現在のジギングを形作ってきた多くのエキスパートジガーの功績も忘れてはならないと思います。

<堀籠賢志/TSURINEWSライター>