ボトムコンタクトのないトンボジギングは、修行の釣りとも言われます。我々アングラーは、指示ダナを光明にただひたすらシャクるのみ。今回はトンボ(ビンチョウマグロ)へのアプローチを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター田中耕二)
トンジギはドテラ流しが基本
トンジギは、ドテラ流しと呼ばれる釣り方で船を風と潮に任せて流し、広範囲に探ります。ポイントは、黒潮の流れ方にもよるのですが、沖に1時間程度走ったエリアで水深500m以上のケースがほとんど。
目安として潮目、水温、鳥などを頼りに船長が位置取りします。僚船との情報交換も重要です。ポイントが決まれば、海面から150mくらいまでが狙うタナとなります。少し大げさな表現かもしれませんが、ドテラ流しでジグをトローリングするイメージです。
指示ダナとライン放出量
闇雲にジギングしても効率が悪いので、船長が魚探を見ながら、狙うべき水深を教えてくれます。ラインカラーを見ながら放出する長さを決めてワンピッチジャークとフォールでマグロを誘います。ですので、PEはカラー分けされているものが必須です。電動リールのカウンターも役に立つでしょう。
ライン角度で水深を計算
船長が伝えるタナは水深であって、リールから出ているラインの長さではないので、狙う水深をラインの長さに計算する必要があります。因みに真下にラインがある時を0度とすると水深=ライン長です。ライン角度30度では1.15倍。ライン角度45度で1.41倍、60度は2倍の長さのラインが必要となります。三角定規と1:1:√2、1:2:√3を思い出して……(笑)。
そんなもん、釣りに必死で計算できるかという方(私もそう)は、ラインが「ちょっと角度あるな」と思ったら狙いの水深の1.2倍。「まあまあ角度ついて来たぞ」は1.5倍、「ほとんど水平やん」で2倍のライン長が必要と覚えておきましょう。
ラインは横に長くなればなるほどに潮の流れや水圧を受けるので、イトふけが多くなり、タナ取りがぼやけます。私は、60度で200m、45度で250mが限界と判断してそれ以上は回収してジグを入れ直すようにします。
アクションと誘うレンジ
ジャークは、緩めのワンピッチジャークを基本にロングフォールを入れるようにしたり、ピッチを刻んで狙いのタナで粘ります。速巻きで誘うこともします。
海中にも潮目があり、その潮目ではジャークが重くなるのでそこは念入りに探ります。船長から70mの指定があれば、水深80mからジャークし始めて60mまでを探る。指示ダナの前後10mは探るようにしましょう。60~80mと言われれば、90mまでジグを落として50mまで誘いあげます。
例えば、70mに反応ありといわれた時、自分のジグが海中にありライン角度が45度位なら80mの1.5倍で120mを放出し、そこから10mをワンピッチで誘い上げてロングフォール、それを3セット繰り返して、再びフォールさせて狙いの水深まで落とすイメージです。ジグが手元にあれば、直ぐに投入して80mまで落としてワンピッチで誘い上げます。フォールにアクションを付けることも有効です。
反応がない場合
反応がないケースでは、その日の遊泳層で一番多いタナを探るようにします。最大のチャンスは、自分のジグがあるタナにマグロが回遊してくれた時です。待ち伏せみたいなイメージですね。
僚船のヒット情報も船長がアナウンスしてくれるので、狙うタナの判断材料になります。ただ、その間にも船は流れライン角度はかわっていくので、ジャーク&フォールで狙いのタナにジグをキープしておく必要があります。
ジグ位置の把握がキモ
斜めに引けた方が、マグロの遊泳層に長い距離接するため有利です。ジグは軽すぎると狙いの水深に届かず、重すぎると斜めに引けないので、これが難しく釣果の差となります。個人的には、45度~60度がよくアタる角度と思っているので、そうなるようにジグの重さで調整します。無風であれば軽く、強風で流される状況であれば重くします。
自分のジグが水深何mにあるのかを常に把握しておくことが、釣果への最大要因ですが、手元ばかりみていて酔っては元も子もないのでご注意を。