11月中旬に開催された「リョーマの休日 ハマちゃん釣りバカップ」を取材。釣りだけでなく、高知県内の自然や人々に改めて魅了されたぜよ!
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター濱堀秀規)
最高のタイラバ日和
大会前日に天気を調べると、午前・午後ともに晴れ。最高気温18度(前日比+1度)、最低8度(同-1度)。降水確率0%。西の風後北西の風。波は1.5m 。とても穏やかな絶好の釣り日和だった。潮は小潮で、7時26分が干潮、14時41分が満潮。干満の差はあまりない。
「釣りバカップ」は、タイラバでの釣りを競う。大きく流れる潮はタイラバには不向きであり、落ち着いた潮が最適。この日は、潮も天気も絶好の「タイラバ日和」である。本当に主催者は素晴らしい日程を選んでくれている。天候にも恵まれそうだ。
宇佐しおかぜ公園
大会会場は「宇佐しおかぜ公園」(土佐市宇佐町)。高速道路・伊野インターを降りて車で約10分、公園の入り口で大きな親子クジラのオブジェが迎えてくれた。宇佐しおかぜ公園は、ホエールウォッチングの船が発着する港としても有名だ。ジョン万次郎の漂流出航の碑もあり、ここから日本の夜明けが始まったのだと歴史にふけるのも感慨深い。
鎖国の江戸時代、漂流したジョン万次郎が船でアメリカに渡り、そこで得た知識や人的つながりが、後の日本の発展に大きく寄与したことは歴史上周知の事実である。アメリカ合衆国ともつながりが深かったから「宇佐(うさ)=USA」と名付けたのかどうかは不明だ。
「ハマちゃん」大集合?
大会名の一部にもなっている、人気釣り漫画「釣りバカ日誌」(作:やまさき十三、画:北見けんいち)。主人公・浜崎伝助(ハマちゃん)のモデルとしても知られる、高知県観光特使の黒笹慈幾(くろささ・やすし)さんが、今回ゲストとして大会に参加。黒笹氏は東京の大手出版社で勤務した後、高知市に移住している。さらには、高知県庁から濵田省司(はまだ・せいじ/ハマちゃん)知事も参加(閉会式のみ)。そして、筆者である私の名字も「濱堀」(ハマちゃん)だ。
釣りバカの”ハマちゃん”大集合である。不思議なことに、そのほかの参加者のなかにも名字に「浜」が付く方がたくさんいた。
釣り大会のルール
「リョーマの休日 ハマちゃん釣りバカップ」の大会規程(ルール)は、時間内にタイラバ仕掛けで釣ったマダイ1匹の長寸で順位決定するもの。一発逆転もあるので、最後の最後まで楽しむことができるルールでもある。
参加者はあらかじめ決められた10の船に分かれて乗船。いよいよ大会が開始された。帰港は12時30分。
子供からベテランまで参加
私が乗船した船には、小学3年生の双子である清野兄弟に、そのお父さんとおじさん。高校2年生の石本大使さん。ほかにも、ベテランの釣り師が3名乗船した。
清野兄弟はリールの使い方も大人顔負けで、様になっていた。2人とも大物をバラしたときの顔が悔しそうで、立派な「釣り人」だ。ターゲットのマダイ以外もたくさん釣ったが、釣れた魚がなんであっても楽しそうにしており、純粋に釣りを楽しんでいる様子に「やっぱり釣りはこうでなくっちゃ」と感じた。
圧巻の大物アオハタ
清野君のおじさんの竿やリールを巻く操作からは、かなりのベテランであることがうかがえた。仕掛けの底取りから掛けアワせに至る動作がスムーズで、魚がバッチリ竿に乗るタイミングは、見ていて「うまいわー。この方もしかしてプロかな」と思ったほどであった。
マダイの1匹目が釣れるまで、じっくりとぶれずに等速直線運動(速さも向きも変わらない一定の動き)の巻きを繰り返していた。最初の1匹は小さかったが、その後はプレッシャーから解放されたように、本命のマダイや他魚の数釣り体制に突入していた。
圧巻は、大物のアオハタを釣り上げた時である。本人はマダイの大会であるので、あまり嬉しそうな表情は見せなかったが、記者の私からすれば清野おじさんの技術と、高知の海の大物がバッチリとマッチした瞬間は、最高の気分だった。高知の海には、こんな高級魚の大物が普通に潜んでいる。夢のある海域である。
乗船者全員安打達成
他のベテランの乗船者は、さすがにベテランと分かるほど、タイラバの手持ちの数が多い。どんな状況であっても対応できるように、種類をそろえている。
高校2年生の石本さんも、オモリを変えたり、タイラバの色や種類を変えたりしながら、マダイを釣り上げていった。釣った魚の大きさはさまざまだが、私が乗った船では全員が魚を釣り上げていた。