船釣りは初めて釣りをする人にとって、非常に心強く楽しめるものです。「釣りは初めてだけど、船に乗って釣ってみたい」という人へ、船釣りマニュアルを紹介。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
釣り船の設備
遊漁船は釣り人が竿を出して魚釣りをするのに特化した船です。そのため、誰が乗っても利用しやすいいろいろな設備が整っています。これは、船長によってもかわりますし、船の規模によっても大きくかわってきます。代表的な設備としては「トイレ」「椅子」「キャビン」「循環パイプ」「個人イケス」「屋根」「竿受け」「電動配線」などがあります
トイレ
トイレは船の規模にもよりますが、大きな船では男女別々のトイレが設置されていたりしますが、小さな船ではないこともありますので、特に女性が一緒に乗船する場合には、まず問い合わせる項目となります。
椅子
椅子は船の外に向いて座るようにできていて、釣りをしている最中や船で移動している最中に座れるように設置されています。何よりも船の移動中などは立ってウロウロすると危ないので、椅子にしっかりと座っておくことが常識です。
キャビン
キャビンとは釣り人、お客さんが中に入ることができる船上の部屋のことです。長距離の移動時などは外に出ていると危ないし、しぶきを被ったりするので、船長から「キャビンに入っておいてください」とのアナウンスがあればすみやかに中に入ってください。こうすることで、船長が安全に航行へ集中できるのです。
また、小型の遊漁船ではキャビンがない場合もあります。船長のいる操舵室の後方にスペースがあったりして、波が被らないようになっている場所もあるので、そのスペースを利用して移動します。
キャビンにエアコンが付いている船もあり、夏場など暑すぎて熱中症などが気になる時はエアコンの効いたキャビンでくつろぐのも手です。
屋根
これは船の上部を覆うように付けられたテントで、雨や直射日光を防いでくれます。ただし、屋根付きの船はどこにでもあるという訳ではありません。エリアとして、屋根付きの船が多いエリアとそうでないエリアがあることも覚えておきましょう。
個人イケス
個人イケスはその名の通り、船の上で釣り人ごとに使えるイケス、つまり釣った魚を入れておく場所です。これはいろいろなスタイルがあります。足元にコンテナを置いてあったり、椅子の横に組み込まれていたりと様々ですが、用途は同じです。釣った魚をすぐにクーラーボックスに入れておかなくても、しばらくは泳がせておくこともできる便利な設備です。
循環パイプ
循環パイプは、あまり聞き慣れない単語だと思います。実は船の内側全体に海水を通しているパイプのことです。釣りによっては、便利で重要な設備なのです。役目としては、自分が座っているところに通っているパイプから海水が出ることで、足元のバケツなどに常に新鮮な海水が供給されます。
また、個人イケスにも海水を供給することによって、イケス内の酸欠状態を防いでくれるので、魚によっては港に帰ってくるまでイケスで泳がせておくこともできます。また、ちょっとした手洗水にもなります。
竿受け
船釣りは、竿を常に手に持って釣る方法と、魚が掛かるのを竿を置いて待つ釣りがあります。竿を置いて待つ時はもちろんですが、ポイント移動する時や竿から手を離して作業をする時には、竿が船から落ちないように固定できると便利です。
そんな竿受けが始めから船縁に付けられている船も増えています。竿に取り付けるヘッドと呼ばれるアイテムを貸して貰えば、竿を固定できるようになります。また、竿を船縁にある穴に突っ込んで置いておくようなスタイルもあります。
電動配線
後述しますが、船釣りではリールを手で巻く「手巻き」の釣りと、電動モーターを搭載し、スイッチ一つで巻き上げが自動でできる「電動リール」を使う釣りがあります。電動リールを使用する場合、どこかにコンセントのかわりになる電源が必要です。これが電動配線です。
循環パイプ同様、船の周りなどに張られた配線から電源を取ったり、個々のバッテリーを用意してくれている船もあります。ただ、釣りの種類によっては、基本的に不要と考えて、電動配線が設置されていない船もあります。そんな時に電動リールを使用する場合はバッテリーを持参する必要があります。