伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「セットアップを用いたセット釣り」。今回は千葉県富里市にある富里乃堰で行った取材の実釣編をお届けしよう。取材日は12月上旬だったので、魚の動きはまだまだ活発かに見えたのだが・・。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
富里乃堰での実釣編へ
セットアップ解説の後半は、富里乃堰での伊藤の実釣編をお届け。
同エサを使用したバラケを使い浅ダナを狙ったが、今より水温が暖かい時期だったので、厳寒期の釣り方とはやや異なる展開だった。しかしバラケのハリ付け、抜き方など参考にすることは多いので、ぜひ読み進めてほしい。
当日のタックル
取材日は12月11日(水)。ひと月以上も前のことなので気温も水温も高めだった。朝方はダウンを着込んだが、日中はトレーナー1枚で釣りができるほどと言えば、いかに暖かい日だったかがお分かりだろう。
西桟橋の最深部付近に入り、竿8尺メーターセット。ハリスセッティングは6~40cmで、ウキのエサ落ち目盛は食わせを付けた状態で水面上に3節出し。
バラケブレンドは粒戦100cc+とろスイミー50cc+水150cc+10分放置+セットアップ100cc+セット専用バラケ100cc+BBフラッシュ50cc。食わせは力玉ハードⅡ(さなぎ粉漬け)。
7時30分に打ち始めるとすぐにアタリが出たが、魚がはしゃぎ気味でヒット率がよくない。40cmだった下ハリスを一気に30cmまで短くして連続ヒットに持ち込む。
実際は冬の釣り
「ウキの動きからすると高活性のように見えるけど、実際は冬の釣りだね。バラケを抱えてるとアタリにつながりづらいし、スレが多いよね」
つまりバラケは抜いていると?
「そうなんだけど、水面直下から抜いているわけじゃない。トップ2節前後はナジませて、そこから抜いてる。それに圧が強過ぎて抜けない時は、強制的に誘いをかけてるよ」
10時の段階で20枚だから、ペース的にはポツポツ。やはり活性が高いとは言い難い状況のようだ。
「何せ気温が高過ぎるよね。メーターでやってても、魚がさらに上な感じがするしね。でも上の魚にやる気があるわけじゃないから、タナまで追いかけてこようとはしない。ただ浮いた粒子を吸いあおっているだけって感じなんだろうね」
釣りのペースアップをするには?
さらならペースアップを図るにはどうすれば?
「竿の長さじゃないかな。もっと沖めか、それとももっと深いか。ただタナ1本半~2本は試したけど、かえってメーターよりも釣りづらかったから8尺のラインで深いタナは候補的にはなさそうだよね」
では竿を長くします?
「いやこのままの長さで、もっとていねいに釣ってみるよ」
ウキは動くのでこれでもいけるだろう的な対処だったが、ここからはさらに踏み込んだセッティングを模索する。
手始めにやったのが先ほど10cm短くした下ハリスだ。40cmではムダな動きが多いが、30cmだとアタリはもらえてもペースが上がらない。だが朝よりも確実に気温は上昇している。
そこで30cmから34cmと中途半端な長さに伸ばしてみると、これがうまくハマりヒットペースは格段に上がった。さらにバラケも抜き方だけでなくハリ付けサイズや形状にも注意して、1投ずつ必要なら変化を持たせる。
バラケをこまめに手直し
結論的には今までよりも若干バラケ質量を減らして、それを丸くていねいにハリ付けしたものを1節~1節半ナジませたところで抜くと、その直後のあおりからアタリにつながることが多くなった。
「晩秋のような動きに見えて、じつは魚の活性は冬に限りなく近づいていたってことだろうね。ただし厳寒期ほどの低活性でもない。この中途半端さが難しくしているのは間違いないよね」
次回も「セットアップを用いたウドンセット」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
富里乃堰
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