釣り場での時間確認はどうしているだろうか?おそらく腕時計とスマホが半々だと思う。筆者は圧倒的に腕時計派。普段は自分の主義として絶対に絶対に着用しない腕時計だが、釣りのときは逆に必ずつける。しかし必要十分の、いわゆるチープカシオといわれる一流メーカーの廉価品だ。それにはいくつか理由がある。個人的にチープカシオを推したい理由も含め、釣りにおける腕時計の重要性を語りたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
タイドグラフと時間確認の必要性
タイム・イズ・マネーというが、釣りにおいて時間は釣果に直結するので、フィッシュ・イズ・タイム(?)とまで言いたい。魚の動きは潮流と連動し、潮の上げ下げの時間はその日によって違う。
たとえば筆者の直近の釣行では、漁港でのアジングで、20時満潮でその1時間ほど前から食いが立ち始めた。夕マヅメに絡んだことも一つの要素だが、満潮時には一時アジのアタリがぱったりとやんだのだから面白い。下げ始めの21時からは場所を移動すると再び爆食いし始めた。
すなわち潮汐と時間を頭に入れ、また釣り場で確認しながら立ち回る。ザッツ・フィッシング。釣りとはそういうものだ。ちなみに、ザッツ・フィッシング、という言い方には複数の意味合いがあり、どちらかというと「釣りってそういうものさ」と悲しく笑いながら言うような言葉らしいが。
マストな腕時計はチープカシオで
時間確認はスマホでしてはいけない。絶対に落とす日が来る。私は、そういうこととはまったく関係なく釣り場で出し抜けに丸太ん棒につまずいてズボンのポケットからアイフォン8を海に奉納した者だが、そもそも、それだけスマホは取りこぼしやすい物なのだ。ついでにブツブツつぶやいておくと、最近のスマホの進化は事実上止まっていないか?どうもカメラ機能向上ばかり。そろそろ厚みを薄くして、かつ堅牢化し、またホールディングをよくする需要が高まっていると思う。D社さんのLTコンセプトやバランス調整を見習ってほしい。
さて、では時間確認は何でするか?やはり腕時計だろう。それもそんな高級なものは要らない。というかこの辺りは安くて壊れてもショックが大きくないものがいい。釣り場はオフロードなのだ。すべては消耗品で、短い寿命を迎える。じゃあG SHOCKにするか?ノンノン、答えは「チープカシオ」だ。
チープカシオとは、一流時計のメーカー・カシオの中ではスタンダードないし廉価モデルとして扱われている非常にシンプルな製品ラインだ。いくつも種類があるが、バックライトつきのデジタル表示モデルをおすすめしたい。筆者はイルミネーターと呼ばれるシリーズを、都合5本使ってきた。うち3本が不可解な紛失を遂げているので、こればかりは性格的な腕時計嫌いが物語るのかもしれないが、間違いなくモノはいい。時間がズレないし、水濡れにも強い。これ以上釣り適正の高い腕時計はない。
なんと数年前の値上げまでこのモデルは700円だったのだ!!倍高価になったが、今も1500円ほど。
スマホでの時間確認はどうなの?
釣り場でスマホを取り出すことをいとわない人がいるが、私はそんな人たちを見ると大閉口する。その迂闊さを心配するのもあるが、何より自分ジンクスとして、釣り場でこの手のゲームができてしまうようなデジタル機器を取り出すと、運気が下がるような気がするのだ。先日も実際動画を見ながら釣りをしている人がいて、「何をしにきたんだ」と言いたくなった。
何より実際に落としたときのダメージがほとんど全損レベルである。町田康の小説に「ケータイを失くしたギャルのような状態」という表現があったと思うが、本当にそのまんまだ。生活上の欠損にまで至る。あまりに釣り場で取り出すには危うい。
お金のことも考えてみよう。注意一秒、事故一生という言葉がある。チープカシオ1500円、スマホ15万円だ。入っているデータを含めて、比較にもならない。せめて時計にカメラ機能でもついていたらいいが、そうなるとまた時計に意識のウェイトが向いてしまい、釣りがおろそかになってしまいそうでもある。
バッグでなく腕に着用しよう
筆者も過去やっていたことなのだが、腕時計はバッグのベルトなどに装着してはいけない。これが結構ゴムバンドや革バンドでも、破断するのだ。意外に堅強なナイロン編みベルトにカスタムするといいかもしれないが。
しかし何にせよ腕時計は腕につけるものである。聞こえにくい音がしたら耳を近づけるように、腕時計は腕で確認するのが五感的日常である。釣りの必須品なので、こういうものもいずれ来る値上げ前に買い急いでおきたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>