陸っぱりの釣りにおける【海鳥とサカナの関係】 釣りやすいタイミングとは?

陸っぱりの釣りにおける【海鳥とサカナの関係】 釣りやすいタイミングとは?

水面に鳥がいる状況は、海釣りでは一般的に良い状況だと言われる。鳥たちは小魚を食べる。小魚はもっと大きな魚の捕食対象となる。つまり大小の魚が居る、ないし回遊が期待できるのだ。しかし鳥がいるからと言って、それが必ずしも釣果爆発の兆とはならない。むしろ釣りが上向かないこともある。今回は鳥の存在と魚の挙動について解説しよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

アバター画像
井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

×閉じる

堤防釣り 海釣り

海鳥は吉兆か?

海で見かける鳥の数々。あれで白鳥とでもいうのか、すっくと屹立したなかなか大きな白い鳥や、鵜のように水面に群れているものまで、いろいろと見かける。代表的な種はアホウドリやウミウやウミガラスなどだが、筆者はさすがに種までは気にしていない。たぶんカモメかなーと思うことはあるけれど。

陸っぱりの釣りにおける【海鳥とサカナの関係】 釣りやすいタイミングとは?鵜たちの姿(提供:TSURINEWSライター井上海生)

さて、そんな海鳥たち、果たして敵か味方か?

基本的には味方と考えていいだろう。鳥がいる=小魚がいる。小魚は釣り人にとってはベイトであり、また別の釣り人にとっては本命でもある。だが、その魚種までは絞りにくいし、また魚の活性がどうなのかもわからない。

鳥がいると困ること

筆者はライトゲームアングラーで、居場所がわかりにくいアジングをするときには、ウミウがいてくれると助かる。だいたい一定の範囲にアジがいるだろうと予測がつくからだ。

鳥はそのように釣り人に「小魚がいますよ」とサインを出してくれるが、一方で魚にとっては迷惑な存在でしかない。何せこっちを食べようとして胡乱な目で水中を覗き込んでいるのだから。食われるのを恐れて、深場に潜る。方々に散ることもある。魚の前情報を得て確実に群れが入っているとわかっている状態ならば、こうなってしまうと、むしろ鳥はいない方が助かる。負の要素となる。

日中に海鳥を見かけたら

デイゲームで海鳥を水面に見かけることがある。呑気そうなのが一羽浮いているくらいなら何もない。しかし大勢でエサ(魚)を探している様子なら、要チェックだ。

日中に鳥がいると、小魚は海中で追い詰められた格好になる。遊泳力が低いため、大物や根魚の急襲を恐れて遠くへ逃げることもできない。ほとんど一定の範囲に留まり、底ベタにつく。アジやサバは特にその傾向が顕著だ。まあ、あらかじめ鳥によるプレッシャーがかかっている状態で、ただでさえ回遊魚はデイでは釣れにくい。簡単に反応するとは思えないが、やるならばボトム打ちに専念しよう。

陸っぱりの釣りにおける【海鳥とサカナの関係】 釣りやすいタイミングとは?デイゲームはともあれボトムで(提供:TSURINEWSライター井上海生)

鳥がたかっているポイントは夕方以降の小魚の溜まり場ともなる。夜になると鳥たちは目が見えなくなって去る。すると小魚も浮いてくるので、そこを目掛けて投げるといい。

鳥がいる=魚がいる、けれど……

水面に佇む数羽の海鳥を見つけたら、そこに魚がいることは確かだ。露骨にばしゃばしゃとクチバシで水面を突いて捕食していることもある。多くの場合突かれているのは小魚だが、ボラやシーバスが憐れクチバシで体を貫かれて堤防に放置されている姿も見る。しかし考え方によってはそれもひとつ、シーバスなど居場所が突き止めにくい魚がいるポイントとして、頼りになる情報だ。

陸っぱりの釣りにおける【海鳥とサカナの関係】 釣りやすいタイミングとは?蝶々はなんでもないけれどかわいい(提供:TSURINEWSライター井上海生)

鳥の存在は魚がいるサインとはなるが、少なくとも鳥が血気盛んに魚に攻撃している時間帯は釣りのフォローにはならない。その場はプレッシャーがかかっていると考えて捨てるしかない。鳥たちが落ち着いてから、彼らがいた場所を打ち直してみよう。

もうひとつ。たまにナブラが立っているところに鳥が旋回していることもある。こうなるとそこはもうパニック状態だ。おそらくベイトを追っている小魚を見て大型魚が盛んに追い回すのを、鳥が興奮して見ている図、なのだろう。その機に乗じてとりあえずメタルジグを投げれば何か釣れるかもしれない。たまにあることなのだが、鳥にルアーを引っ掛けないように注意しよう。

<井上海生/TSURINEWSライター>