この時期、堤防からの餌釣りで最も旬を迎える釣りは何かと聞かれたら、著者は迷わず「カワハギ釣り」と答える。今回は、釣って楽しい・食べて美味しいカワハギを釣るための仕掛けについて紹介していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)
カワハギ釣りなら胴突き釣り
一般的な釣具店で市販されているカワハギ釣り仕掛けは、圧倒的に胴突き仕掛けが多い。その理由を見ていこう。
針数=チャンスの数
カワハギは「エサ盗り名人」と呼ばれるほど、エサを盗るのが上手い。仮に1本針だとすぐエサが無くなってしまうが、複数本針があればそれだけチャンスが広がるのだ。
撒き餌代わり
3本針の仕掛けを使用している時に、2本分のエサが齧り盗られたとしよう。すると、そのエサのカスや匂いが周囲に広がって撒き餌代わりとなり、他のカワハギが寄ってくる。こうなると、残る1本の針に付いたエサを競い合うように食べようとするため、アタリが大きく出てくれるのだ。
タナを広く探れる
一般的にカワハギは底の魚と言われているが、時に中層で食ったり、水面近くまでエサを追ってきたりと、意外と適応できる範囲が広い。船釣りでは「宙釣り」と言われるように、意図的に底から離して釣る事もある。この際、たとえ仕掛け全長の1m分であってもタナを探れるというのは、間違いなく強みになる。
仕掛けは市販か、自作か?
これはそれぞれにメリットとデメリットがある。「カワハギ用胴突き仕掛け」にフォーカスしてみていこう。
針数
カワハギの胴突き仕掛けは一般的に3本針が多い。これは自作すると結構な手間がかかるが、市販仕掛けならその手間は考えなくて済む。時間が無い時に市販品は大変ありがたいものだ。
針交換
カワハギは口がカタいため、数匹釣ったら針先が鈍ってくるので、定期的に針交換を行いたい。市販仕掛けの針交換ができるタイプはやや高価なため、自作する方がコストを抑えられる。もしくは安い市販仕掛けを使用しておき、ある程度使ったら全体をゴッソリ交換するのも一つの手だ。
ハリスの長さ
カワハギ用胴突き仕掛けはアタリが出やすいよう、1cm~5cmの短いハリスを用いた仕掛けが多い。これだけ短いと「モトスが見えてしまって警戒されないか」と心配になるかもしれないが、好奇心が強い魚なので、正直全く問題ない。とはいえ、ハリスが短い仕掛けを作るには少々慣れがいるので、最初は市販仕掛けからスタートするといいだろう。
使用するオモリ
堤防からのカワハギ釣りは、先述した通り胴突き仕掛けが基本となる。使用するオモリについてみていこう。
基本はナス/釣鐘オモリ
胴突き仕掛けの先端に付いているスナップにセットするのは、ナスオモリや釣鐘型オモリが一般的。最盛期になると堤防で使用しやすい3号~6号が入手できないこともあるので、根掛かり分も含めて、ストックは多めに用意したいところだ。
オモリサイズ
使用する竿のオモリ負荷を考えて使用したいところだが、場所によっては水深があったり、潮が速かったりもする。基本の重さは4~5号と考えておき、浅い・潮が緩い場合は2~3号、深い・潮が速い場合は6号~7号と考えると良い。激流ポイントの場合、仕掛けが弛むとアタリが取り辛くなるので、仕掛けを真っすぐにするためにも、強めの竿に10号のオモリも視野に入れておこう。
装飾は必要か?
船カワハギの場合は舵付きオモリや派手な装飾付きタイプを使用する事が多いが、水深がそこまで深くない堤防の場合、これらは特に必要ないと著者は考える。根掛かりした際のリスクを考えると、普通のオモリで十分だろう。
中オモリ
船釣りでは道糸と仕掛けの間に集器(集魚器)やオモリ(中オモリと呼ばれる)をセットするが、堤防では基本的に不要。だが食い渋りの時などにガン玉(大きめ)を1~2個付けたり、0.8号程度のオモリをセットして弛ませる、底にハワセるといった手法は有効なので、念のため用意しておくと良い。
最初は市販品、慣れれば自作仕掛けで!
市販仕掛けの多くは国内のメーカーが製作しており、不良品というものはほぼ存在しない。カワハギ釣りは針先の鋭さ・仕掛けの結束強度等が重要なので、自作品が心配であれば、市販品オンリーでも問題ないだろう。だが、自作仕掛けはコスパに優れているだけでなく、1匹が釣れた時の感動は特筆物。慣れてきたら是非、オリジナル仕掛け造りにチャレンジしてみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>