ルアーフィッシングをしていて大事なルアーを壊してしまったことは誰にでもあるだろう。では、そのまま壊れたルアーを使い続けて魚は釣れるのか、答えは問題なく釣れるといっておこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)
シーバスゲームのルアー
筆者のライフワークであるシーバスフィッシングでは、橋脚周りなどをタイトに狙う場合が多い。なので、ぶつけてルアーが無惨な姿になってしまうこともけっこうある。
傷が付いた影響からか、今までの動きと微妙に違ってくるし、何より見た目がかわいそうになるのは避けられない。
だが、それで捨てたり買い替えていたらルアーがかわいそうだ。少々壊れても十分魚は釣れるし、場合によっては新品よりも釣れることだってある。これは本当だ。筆者の体験と共にそれを証明しよう。
破損ルアーでシーバスが釣れた
筆者の体験談だが、バチ抜けシーズンでよく使ったシンキングペンシルがある。けっこう大事に使っていたのだが、狙いすぎて橋脚に思いっきりぶつけてしまった。
カチーンと嫌な音がしたので恐る恐る確認してみると、本体にヒビが入り、リアフックのアイが曲がって付け根が割れていたのだ。そのまま投げるとクネクネとオーバーアクションともいえる何とも不思議な動きに変わってしまった。これはこれで釣れそうだが、痛々しい見た目と今までとは全く違うアクションでしばらく使わなかった。
しかし、春のハクパターンで小型ミノーで反応がなくなった時、たまたまこのシンキングペンシルを使ってみた。すると1投で良型のシーバスが食い付いてきた。この変則的な動きが逆にシーバスに覚えらず、たまたまヒットしたのかもしれないが、これで”重症”を負ったルアーでも釣れるとわかった。まさに偶然が重なってできたナチュラルチューニングといえよう。
アクションを入れるとさらに進化
その後もこのルアーを使い続けたが、実はこのルアーの真骨頂はこれからであった。なんとアクションを入れると今までとは違うユラユラとした弱った魚のような動きをするようになっていた。当然シーバスからのコンタクトも多く、今では逆に1番使うルアーとなってしまった。
もちろん、これ以上壊さないように注意しているが、無くしても新品よりはダメージが少ないと考えると、障害物が多い場所や投げにくい場所でも思いきって使えるのが何より強みだ。
使えないものもある
このシンキングペンシルは運良く使えるようになったものの、当たり前だがルアーは壊さないにこしたことはない。というのも、ぶつけてたりすると再起不能になることもあるからだ。小型バイブレーションなどは、本体がバラバラになってしまったり、リングを通すアイフックが潰れてしまうとほぼ使えない。
また、本体にヒビが入りそこから水が入るとさすがにダメだ。小さい亀裂ならまだ修復可能だが、大きく入ると自重が変わってしまい、沈み過ぎて使いにくい。それでも釣れないことはないだろうが、そこまでいったら残念ながら買い替えがおすすめだ。
キャスト性能を上げよう
このように状態によっては使いものにならない時があるので、やはりルアーは大事に使いたい。そのためにもキャスト性能を磨くのは必須だ。とかくシーバスフィッシングはミノーや鉄板のバイブレーションを使うことが多い。なくしたり壊してしまったときのダメージはお財布にも良くない。となると、アングラーにできることは思い通りの場所にルアーをキャスティングする技術の向上しかない。
そういう筆者もキャスティングは上手な方ではないのだが、今はそれほどミスキャストもなくなった。それでもギリギリを狙う精度は低いので、まだまだ修行が必要だと感じる。確かにルアーは壊れても釣れるが、それはあくまでも偶然の産物だ。やはり買ったときの状態で使うのが1番なのだから、何度も書くが、キャスト性能を上げて行きたいものだ。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>