渓流エサ釣り超入門【ポイント選び方・時期ごとのエサ選び・基本の釣り方を解説】

渓流エサ釣り超入門【ポイント選び方・時期ごとのエサ選び・基本の釣り方を解説】

徐々に気温が上がり始め、春はもうすぐそこまでやってきている。この季節にピッタリな釣りは何かと問われれば、著者は迷わず渓流釣りと答える。一見敷居が高そうに見えるこの釣りも、基本となるポイントさえ押さえておけば、だれでも手軽に楽しむことが可能だ。今回は、狙うべきポイントや餌、釣り方など、渓流釣りの基本となる事を解説していく。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

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荻野祐樹

釣り歴は約25年。得意ジャンルは渓流釣りと、カワハギ・タチウオ・メバル(全て餌釣り)等。解りやすい!をモットーに発信していきます。

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渓流釣り 淡水の釣り

狙うべきポイント

渓流釣りは「テクニックよりも入渓場所」と言われるほど、ポイント選びが重要だ。正直、その日の釣果を左右すると言っても過言ではない。ここでは、狙うべきポイントを見ていこう。

まずは漁協のHPを確認

渓流釣りが楽しめる河川を管理する漁協は、発眼卵・稚魚・成魚の放流を積極的に行っている。確実に釣果を得たいなら、直近に成魚放流が行われた場所周辺に行くのが最も確実だ。その他、稚魚を多く放流している河川は魚影が濃い傾向にあり、釣果をあげやすいと言える。

経験者に同行する

釣果を得るために最も確実な方法は、渓流釣り経験者に同行してもらうこと。これは安全面を考えてもイチオシの方法だが、「渓流釣り師が知り合いにいない」場合は、現地ですれ違う釣り人と仲良くなり、可能ならば教えを請うのも一つの手だ。

初心者は支流がおススメ

本流は川幅が広く、慣れないうちは大変攻めづらい。水量が多い上に障害物も少なく、魚の着き場が大変判りにくいなど、どちらかといえば中・上級者向けだ。その点支流は川幅が狭く、障害物が多いため魚の着き場が判りやすい上に、水量も少なく遡行しやすい、といった数々のメリットある。入るポイントに迷ったら、著者は「稚魚放流が行われている小さめの支流」を推したい。

先行者の有無を確認

先行者がいれば、その場所には入渓しないのが渓流釣りのマナー。この場合は別の河川に移動するか、かなりの距離を開けて(できれば下流側に)入渓したい。そもそも先行者の後に入渓すると魚がスレて難易度が跳ね上がるので、「サラ場」と呼ばれる釣り人が入っていない場所を探すのが基本となる。

着き場を理解する/流れを読む

初心者にとってこれが最難関。基本的に渓魚は「身を隠せて、楽に餌を食べられる場所」を好む。例えば、流れ込みのすぐ傍、岩や障害物の影、流れのヨレ(反転流など)、水深が一段深くなっている場所などがこれに該当する。自分が魚になった気持ちで、「自分ならどこに定位するか」と考えると、自ずとポイントは見えるようになってくるはずだ。

使用する餌

渓流釣りでは、季節に合わせて実に様々な餌を使用する。順にみていこう。

解禁直後はイクラ

これはどの河川でも共通だが、解禁直後はイクラが抜群の効果を発揮する。イクラは匂いが強く栄養価が高いため、水温が低い時期であっても渓魚の反応はすこぶる良い。ただし、解禁してしばらくするとスレて釣れなくなるので、そうなると以下で紹介する餌の出番となる。

普段使いは川虫

河川には、様々な水生昆虫=川虫が棲息しており、渓魚達は川虫を常食している。時期によって採れる川虫の種類・大きさは変わるが、よく使用する5種類であるキンパク・ヒラタ・ピンチョロ・クロカワムシ・オニチョロ辺りはパッと見て判別できるようにしておきたい。

渓流エサ釣り超入門【ポイント選び方・時期ごとのエサ選び・基本の釣り方を解説】著者が良く使用する川虫たち(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

キンパクが最高の餌である事は、渓流釣り界では有名な話だ。また、クロカワムシは本流や支流との合流点で効果を発揮したり、初夏はオニチョロに良型がヒットする等、場所や時期によって使い分けることも大切だ。著者は4月~5月頃、あまり一般的ではないスナムシ(モンカゲロウの幼虫)も愛用している。

ブドウムシやミミズ

5月~6月頃になると、先ほど紹介した川虫達が羽化してしまい、殆ど採れなくなる。こうなってくると、釣具店で購入できるブドウムシやミミズ(キジ)が扱いやすい。特にミミズは雨後の濁り時、ブドウムシは渇水期に抜群の効果を発揮する。

渓流エサ釣り超入門【ポイント選び方・時期ごとのエサ選び・基本の釣り方を解説】虫エサは水位でチョイスする(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

陸生昆虫

7月を過ぎると釣り場周辺の草むらでバッタがよく採れるのだが、これらも良い餌になる。目先を変える意味でも、是非一度試してみてほしい。

釣り方解説

ここからは、実際の釣り方を解説しよう。渓流釣りのキホンであるミャク釣りだ。

アプローチは静かに

渓魚は大変敏感なので、釣り場に入る時は出来る限り静かに入る。そして水面に影を落とさないよう、まずは手前の筋から狙っていくと良い。

竿を操作

まずは目印を水深と同じくらいの高さに調節し(目測でOK)、仕掛けを上流へ向かって静かに投入しよう。そして川の流れ・釣り場の水深に合わせて、竿を下流側に少しずつ動かしつつ、餌が一定の深さを流れるように操作する。この時、目印を水面より少し上でキープしておくのがポイントだ。

渓流エサ釣り超入門【ポイント選び方・時期ごとのエサ選び・基本の釣り方を解説】目印は水面よりやや上に(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

アタリは目印で取る

アタリの出方は様々だが、目印が動く・引っ張られる、突然止まる、というパターンが多い。これらの違和感があれば即アワセを入れよう。

アワセは小さくシャープに

渓流釣りは仕掛けが大変軽いため、大アワセをすると頭上の木に引っかかったり、仕掛けがぐちゃぐちゃになる。手首をほんの数センチ「クッ!」と上に持ち上げるだけでいい。

取り込み

小型は場が荒れないように、抜き上げてタモでキャッチするのが基本。中・大型は流れが緩やかな足元まで慎重に寄せてから掬うようにしよう。細糸を使用しているので、くれぐれも無茶な抜き上げはやらないこと。目安として、著者が抜き上げを行うのは、0.2号使用時に目測で20cm程度までだ。川の流れも相まって結構な重量感を感じるはずなので、少し慎重くらいが丁度いい。

注意すべきこと

ここでは、渓流釣りならではの注意点を見ていこう。

天候や水位に留意

山の天気は大変変わりやすい。急な増水を避けるためにも、天気の情報に常に気を配っておき、雨の日は釣行しないのがベターだ。

安全確保を怠らない

釣りに夢中になりがちだが、渓流釣りでは常に退渓できる場所を確認しつつ進むようにしよう。その他にも、中洲は大変危険な場所なので長居しない、少しでも「危ないかも?」と思ったら引き返すなど、安全に対する意識は強めに持ってほしい。

渓流エサ釣り超入門【ポイント選び方・時期ごとのエサ選び・基本の釣り方を解説】こんな時は川に入ってはいけない(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

野生生物の住処と心得る

渓流は大自然を満喫できる反面、そこは野生生物の住処。クマやイノシシ、マムシといった野生動物の他、初夏以降はハチやヒル、アブやブユといった物にも対策を講じておこう。

渓流ならではのマナー

一つ目の項目でも紹介したように、渓流釣りには特有のマナーが存在する。これらは是非、著者の過去記事をチェックしてみてほしい。

安全を確保して楽しく釣ろう

渓流釣りは、川の水位や野生動物に注意するという少々特異な点があるものの、それ以外は通常の釣りと同じ。天候に気を付けつつキチンと釣行計画を立てることで、実に快適に楽しむことが出来る。

自分自身で探し出したポイントで、自ら採集した餌を使い、川の流れを読み、自作仕掛けで最初の1匹を仕留めた時の感動は何物にも代え難いものがある。是非一度、その感動を体験してみてほしい。渓流釣りの虜になるはずだ。

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>