釣り人には各人いろいろなジンクスがあると思う。私の場合、個人的なジンクスとして釣り前はメシを気にする。「メシ・ルーティーン」。魚に対して罰当たりなことはしない。今回は偏執的なこだわり症の筆者の、釣行前後のルーティーン、「メシ編」をお届けしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
釣行前のおまじない「魚は食うな」
釣りのジンクスにはいろんなものがあって、たとえば「釣り場で座るな」とはよく言われる。これは釣り場に人の影を落として物音を立てて魚にプレッシャーをかけないために存外いやかなり実際的な考え方ではないかと思うが、むろんそうでない”お祈り”もある。
私はまたいろいろとこだわり症なので、そのジンクスは釣行前後にも及ぶ。特に釣りという生殺与奪にかかわるハンティングをするわけで、その前のメシで「魚を食ってはいけない」と思っている。これから釣る奴を先に食うなんて、魚釣りに対して、血の気の荒すぎる鬼になるようなものだ。これはいけない。
それは単に鮮魚もそうだが、はてはツナフレークなどにも及ぶ。ニボシ系ラーメンすらどうだろうと思うことがある。魚肉ソーセージはもってのほか。要するに自分が魚を連想してしまってはいけないのだ。
釣ったその日は適当に済ませ
さて、では釣ってきた日である。釣行後のメシ・ルーティーンとして、私はその日は持って帰ってきた魚を食すことはしない。魚は捌くところまでで、まさかふんふんと生身にかぶりつくことはない。これも魚に対して、全体的な雰囲気として「殺気」を抑えるためである。すでに次の釣りのことを考えているわけだ!
とはいえ私はほとんどゲームフィッシングに徹して持って帰ることがないので、道具を洗ってゴロンと寝転ぶくらいだ。その日の疲れを冷たい飲み物でも飲みながら癒す。至福の時間だ。そしてどういうわけか、腹が減っているときには、遅い時間に帰るので半額のカツオのタタキなんかを平然と買うこともある。これは自分でもなぜOKなのか説明できない。
また、尚良い釣りができたときには、私はルンルンと上機嫌で羽根つき餃子をきれいに焼いたりする。勝利メシである。ちょっと抜かって焦がしたりすると、おもむろに舌打ちしてみたりと、なかなか情緒不安定ではあるが、最近はフライパンを買い替えたので……なんてとりとめのない話になるので終わる。
2日後からおもむろに食す
釣った魚は初日は寝かせろ、食うな、と言われる。下処理だけしておけば、その方がむしろ身の熟成が進んでおいしいのだ。
よってジンクス的にプレデターの雰囲気をむき出しにしてかぶりつくよりも、高ぶる気持ちを抑えて捌くくらいまでにした方がいいというのは理に適っている。ここまでこの話を「くだらない」と思っていた方も、ここは本当の部分として聞いてほしい。