渓流エサ釣りは季節・天候の影響を多分に受ける釣り。これからの季節は降雨が増えて、増水した河川で釣る機会もあるだろう。今回は、著者が考える増水時のメリット・デメリットと、安全面における注意点を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
重要視したい安全面
まずは何を置いても安全面だ。気を付けるべきことを詳しく見ていこう。
状況によっては釣りを諦める
大増水した河川であれば、そもそも釣りをするのが危険なので諦めた方が無難だ。
各河川に設置されているライブカメラ等を利用し、事前に川の状況を把握することで、現地まで足を運んでガッカリ……なんてことを防ぐことができる。
天気予報チェックは必須
釣行開始以降に雨が降らない、という予報ならある程度安全かもしれないが、「雨が降る前に釣行しておこう」という発想は大変危険。予報より早く土砂降りになることもあるし、上流域では既に雨が降っていることもあるので、天気予報には常に気を配りたい。釣り中に雲の様子を見ておくことも重要だ。
鉄砲水に注意
悪天候の前後は、入釣できる水位だと侮ってはいけない。山の天気は急に変わるからだ。先述したように、今いる場所が晴れていても、上流部は豪雨なんてことも普通にある。河川が急に濁り始めた時や、川の音に変化があった時は鉄砲水の危険があるので、すぐに避難しよう。
ダム直下では釣りをしない
渓流釣りが楽しめる大規模河川では、どこかにダムがあることが多い。釣行日に雨が降っていなくても、時折ダムの放水が行われることがある。こうなるとダムの下は水量が急激に増して大変危険なため、ダムがある河川での釣りは避けよう。
釣行時にできる対策
増水レベルがそれほどでなく、安全に釣行できそうであれば、以下のことに留意して釣行しよう。
フローティングベストを着用
渓流釣りにおける便利アイテムとして、著者は以前の記事でフローティングベストを紹介した。
こちらは荷物を持ち運べるだけでなく、安全面において大きな効果を発揮するので、是非着用して釣行しよう。
際どい時は先に進まない
いつもなら遡行できる場所の水位が上がっていて、少しでも「際どいな」と思うのであれば遡行を中止した方が無難だ。行きは楽勝、でも帰れない……なんてことになりかねない。
常に脱渓場所を把握しておく
いつ水位が変化するか判らないので、常に脱渓場所(即ち逃げ場所)を意識・把握しておくことが大切。訪れたことの無い谷や川は地形が把握できていないので、避けた方が無難だ。
中州では釣り&休憩をしない
毎年行楽シーズンになると「中州でBBQをしていた人が増水で取り残された」というニュースを耳にする。これはアングラーにも当てはまることなので、雨天時・増水時は中州で釣りや休憩をせず、岸沿いの脱渓しやすい場所を選ぼう。