本記事では、筆者の実体験をもとに、小型ボート用トレーラーのメンテナンス箇所をお伝えします。海水の腐食は恐ろしく、メンテナンスを怠ると大変な事故につながる可能性もあります。少しでも皆様の参考になれば幸いです。
(アイキャッチ画像TSURINEWSライター岸本真彦)
ハブベアリング
グリスは、水分を含んでしまうとあっという間に変色してしまいます。私なりの基準ですが、ボートトレーラーの命でもある車軸のハブベアリングのグリスが乳白色、カフェオレ色になったら、グリスアップの時期と決めています。
私の場合、ボートトレーラーの使用頻度は1週間に1回程度。グリスの注入は3ヶ月に1回程度で行っています。特にボートの上げ下ろしの際、海水に浸かっているトレーラーは要注意です。ベアリングが錆びると焼きついてしまい、最悪ホイールがロックされてしまいます。
特に海水で使用する場合は、錆の発生も増えます。なるべく海水にベアリングを海水に浸けないようにした方がよいです。おすすめはスロープレールを使うこと。ただし、ボートの形状によってはうまく機能しない場合があるので、1度使えるか確認するのがよいでしょう。うまくハルに当たらないと意味の無い買い物をすることになります。
グリスをニップルから入れる際も、勢いよく注入するとオイルシールがはずれてしまうので、ゆっくりストロークをする事を心がけましょう。
ハンドウインチ
ショップで聞くと、ハンドウインチは2年に一度ぐらいの交換をおすすめされます。海水で使うとギヤまわりが錆びてしまい、ベルトに亀裂が入って切れる可能性があるからです。ボートをけん引するときのメインベルトなので、トレーラーに乗せる際にベルトが切れると大惨事となります。切れてしまってからでは遅いので、早めの交換がおすすめです。
筆者は海水に浸かった際は、水洗いをしてからギヤ周りにグリスを塗っています。けん引の際は、まっすぐベルトを引くことを意識しないと、ベルトがズレたり捻れたりして傷んでしまうので要注意です。
トレーラージャッキ
トレーラージャッキは、海水に浸かる部分ではありませんが、グリスが乳白色に変色していました。これはトレーラー自体を屋外で保管するため、雨水の侵入が原因だと考えています。
定期交換の推奨はなさそうですが、錆でハンドルが重くなる原因となるので、グリスアップをしたほうがよいです。
トレーラーの下回り
普段あまり確認しないトレーラーの裏側も要注意です。下回りを覗いたところ、穴が空いており、指で触ったらボロボロとフレームが朽ちていきました。
危うくボートがトレーラーから落ちる寸前だったため、知り合いの鉄工所で溶接処理をしてもらうことに。そのままだとすぐに錆びてしまうので、仕上げに亜鉛メッキのスプレーを塗布してもらいました。
今回はメンバーとフレームのつなぎ目に穴が空いていることを確認。穴が開くのは同じ箇所が多く、溶接が弱い印象です。
ほかにも、ボートが乗る下のバンクステーを溶接で補強してもらいました。ボートが乗ると重力で下に海水が落ちてバンクステーが錆び、そこがもげるそうです。定期的に交換、グリスアップするとよいでしょう。
日々の確認と早めの対応を
ボートトレーラーは、海水で使うとあっという間に錆が出て、いろいろな箇所で不具合を起こします。海で浸かった際は真水で必ず洗い流しましょう。
ボートトレーラーを日々観察して異常がないか確認したり、定期的にグリスの注入や交換したりするのも重要です。大きなトラブルが起きてからでは遅いので、早めの対応をおすすめいたします。
<岸本真彦/TSURINEWSライター>