秋は釣りのトップシーズン。青物と並ぶ人気のターゲットのタチウオが、和歌山県では一足早く釣れだした。早速水軒一文字に釣行した結果、短時間で7匹の釣果を得て、2022年秋シーズンは上々の滑り出しとなったのでリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
大阪湾のタチウオ動向
昔、かつてお世話になった沖防波堤の渡船店の船長から「大阪湾のタチウオは、淡路島沖からと和歌山県沖からの、2つの方向から群れがやってくる。船釣りが先に始まるが、その年によってベイトが湾奥に入ってくるか否かで、波止や岸壁からのタチウオの釣果も左右される」という説を聞いたことがあった。
神戸市が管轄する沖防波堤は残念ながら現在立入禁止になってしまったが、かつて教わったその説を糧に私は和歌山県紀北の釣り場の釣果情報に注目を続けていた。すると8月の終わりごろから、水軒一文字に渡す水軒渡船のホームページに、タチウオの釣果が登場し始め、9月に入ると徐々に釣果が伸びていった。大阪湾でのシーズンインを待てない私は、このタイミングで釣行するのが吉と、釣行を決めた。
水軒渡船は深夜未明に満員札止め
釣行日は9月10日。遠路はるばる車を走らせ、深夜に和歌山県内入りし、エサの調達と情報収集を兼ねて、途中釣りエサ店のマルニシ本店(和歌山県和歌山市湊3001)に立ち寄る。店内にはタチウオの数釣りの写真が貼られていて、スタッフは「この辺りではみんなタチウオ釣りばかりで、青物狙いの人はマリーナシティより南に行くようですよ」と話していた。
現地では確実にシーズンインしているとプラスに理解しつつ、車が水軒渡船の駐車場に着いたのは深夜1時30分ごろ。釣り人の車は既に7割ほど埋まっていて、出船を待ちきれない常連たちは早くも受付台の前に姿を見せている。これは始発便の繰り上げ出船は確実だと判断し、クーラーやバッカンが置かれた列の最後尾に私もクーラーを一つ置いた。
2時40分に駐車場は満車となり、おかみさんは入口封鎖を宣言。始発便は4時30分という基本の営業案内に関係なく、乗船場は満員札止めとなった。おかみさんの「たくさん釣れますように」との海神様への祈りの声を聞きながら、私の乗った始発便は3時過ぎに繰り上げ出船した。
なお、水軒一文字と渡船の受付方法などの詳細は、以前の投稿「関西の沖波止紹介【水軒一文字】 乗船時の注意点と新・旧波止の特徴」で紹介しているので、まだご覧になっていない方はそちらも参考にご覧いただきたい。
釣り場とタックル
水軒一文字は旧波止と新波止の2つの波止の総称で、位置関係や船着場などは略図を参照いただきたい。
今回は人気の新波止をあえて回避して、旧波止を選択。おかみさんの勧めに従って7番の船着場で下船。タチウオ狙いのタックルは7.6ftのシーバスロッドにスピニングリールの組み合わせだが、ルアー門外漢の私の釣り方はタチウオテンヤの引き釣りスタイルなので、2.3mのルアー竿にミチイト4号、ワイヤーリーダー介してのMサイズのタチウオテンヤの組み合わせといったほうが、エサ釣りの人にはわかりやすいだろう。
夜行性のタチウオの視覚にアピールするように、ワイヤーリーダーの少し上にケミホタル75をセットする。私のオリジナルの部分としては、Mサイズのタチウオテンヤだと軽いので遠投があまり効かない欠点を補うために、蛍光塗料が塗られているナス型オモリ2号を足している。
テンヤに巻き付けるエサは定番のドジョウ。ワイヤーで巻き付ける時は、尾の部分がヒラヒラし、余らせて付けることがポイントだ。実際、当日もドジョウの尾が食いちぎられており、ドジョウの尾の部分の残し方によって、ある程度釣果に影響するようだ。