釣り好きなら水の中の生物に一定の興味を持っていることだろう。ただ、水中の事は意外と判明されていないようだ。今回は、興味深い海の生き物について紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
不老のクラゲ
ベニクラゲというクラゲをご存知だろうか。日本にも数種類がいるとされるベニクラゲだが、なんと老衰で死ぬことがないとされる。厳密には老いていくのだが、ある程度のところで若返ってしまうのだ。そんな事があり得るのかと思うが、実際に水槽実験において複数回の若返りが確認されている。
このクラゲの研究はまだまだ発展途上であり若返る際の遺伝子の情報など多くのことが研究されている。もちろん人類の夢の一つでもある不老不死への大きな一歩になる可能性がある。
寿命という概念
以下余談だが、原核生物は基本的に皆寿命という概念はない。というか多くの動物以外の生物には寿命による死はない。我々の生活で目にする生物の多くがいずれは死ぬために、死は当たり前という感覚があるが、死は進化と引き換えに獲得したものであり、寿命のある生物の方が少数派である。
ちなみに原核生物というは分かりやすく言えば菌のことである。「あの世」や「死後の世界」なんて言葉もあったりするが「この世」の生物の多くには無縁の概念なのだ。もっとも寿命がないだけで食べられたり環境が合わなくなったりすれば死ぬため、不死身ではないということは伝えておきたい。我々の常識は他の生き物の視点では非常識なのかもしれない。
深海生物はなぜ潰れない?
よく水族館でカップ麺の容器が圧力で小さくなる模型が置かれている。実際、水深1000mで100気圧。地上の100倍の圧力が掛かる。そんな高水圧下においてなぜ生き物が潰れないのか?答えは、簡単に言うと空気がないから。である。水圧が高かろうと、潰れるのは空気だけで水や脂は潰れない。だから仮に人の体から空気を完全に抜くことができれば、深海でも潰れないのだ。
実際深海魚は空気を抜き水で体を満たしている。深海魚がゼリーっぽいというかブヨブヨしているイメージをお持ちの方もいると思うが、それも体内に水を沢山取り込み空気を抜いた結果である。また深海魚は浅い所の魚と異なり浮袋の中を空気でなく脂で満たしているのは同様の理由。空気では潰れてしまい浮袋としての効果を発揮できないなからだ(浮袋そのものを捨てた魚も多い)。
殻で対抗する種も
その一方で水圧に真っ向から対抗している生物もいる。それはザリガニやカニといった身近にもいる甲殻類だ。彼らは水圧にも耐え得る強靭な殻(外骨格)を獲得することで深海での生活を可能にしている。中にはアルミニウムを纏うものもいるそうだ。