メバルは少しでも潮が効いていれば比較的簡単に釣れる魚ではある。しかし難しい潮回りもある。潮周りや海況における悪い条件を打開する方法を考えてみる。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
雨後の「水潮」打開術
水潮とは、大量雨後で海の表層に真水が残ってしまっている状態を言う。海水の方が比重が重いので、真水は浮くのだ。そして海水魚は極端に真水を嫌う。汽水域のチヌやシーバスでも大量の雨後は活性が下がる。ただ、雨に関して言うと、釣行中に小雨が降り始めると海中が微妙に刺激されてプランクトンでも増えるせいか、特にアジは食いが立つように思うのだが…。
話を戻すと、水潮は、つまり真水の下に海水があると考える。実際投げてみると、リグで感じる潮流が露骨に二枚潮になっていることもある。メバルは比較的水潮の影響を受けにくい魚だと個人的には思うが、それでも食い渋るのは確かだ。というか、いつものレンジとはかわる。真水の表層から少し深い、海水の表中層に付いていることが多い。
試しに同じように波止際を釣る場合でも、大量雨後の水潮の海では、いつものレンジから5カウント程度深く入れてみるとメバルが反応してくれたりする。大量雨後も、メバルが表層につくのはかわらない。ただ、それが真水の下の海水の表層、とイメージして釣ると良いだろう。
長潮・若潮の打開術
どんな釣りにもあまり適さないといわれるのが、長潮や若潮だ。長潮は古い潮が滞留しているような状態で、実際海の状態を見ても水色が悪かったりする。若潮は新しい潮と入れかわるタイミングで、それだけ聞くと良い潮に思えるのだが、長潮よりはマシという程度で、あまり良い潮ではない。
長潮、若潮はメバルも明らかに食い渋る。ただ、打つ手はある。それは、徹底した表層のレンジキープだ。長潮、若潮ではベイトフィッシュを追いかけている時の、メバル相手のようなリトリーブの釣りがほとんど通用しない。いいところ、プランクトンパターンだ。または、極端に遊泳力の低いヒイカなどを捕食しているか…。どちらにせよ、ワームを動かさずにジーッと見せてやることで、バイトを誘発できる。
レンジキープ釣法がオススメ
レンジキープのやり方は少し難しいが、アジングにも応用できたり何かと役に立つので習得したい。軽量リグ(ジグヘッド0.6g程度)を投入し、メバルの場合はレンジはほとんど入れずに(あるいは5カウント前後入れて)、ラインテンションを保ったまま、ロッドをゆっくりと上へ差し上げるようにする。
そうすると振り子の要領でリグが表層をなぞりながら手元の方へ戻ってくる。そのラインスラックを取って、また同じ動きを繰り返す。どこかでワームをプランクトンかヒイカと見間違えたメバルのバイトがくるはずだ。