秋はエギングでアオリイカが数釣れる時期。手軽な陸っぱりも面白いけれど、入門者にオススメなのがさらに数も釣れて魅力いっぱいのボートエギングだ。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・兵頭良弘)
混雑必至の現代エギング
近年、ルアーフィッシングの一つとして、幅広い年齢層の釣り人に人気が高いエギング。毎年、秋のアオリイカシーズン開幕に始まり、春先から晩春の産卵を迎える超大型狙いのシーズンで幕を閉じる。まさに1年サイクルで個体が入れかわるターゲットとして、このアオリイカだけを追い求めて釣りを楽しむ人も多い。
特に数釣りが面白い秋の休日ともなれば、実績場の堤防や地磯などはエギンガーで超満員。とても間に入って釣りをするなどとんでもない状況が見受けらる。エギング人口の増加に伴い、アオリイカの警戒心も強くなり、年々釣れにくくなって来ているように感じているのは私だけではないはずだ。
そこで、この混雑さといらだちの解消と釣果アップを図るべく、最近、人気上昇中なのがボートエギングである。
ボートエギングの種類
ボートエギングはまず、ボートや船からのエギングでアオリイカを狙う釣り方だが、ボートや釣り方にいくつかのタイプがある。
ボートの種類
ボートは自前のオーナーボートもあれば、レンタルボートもある。また、船長が操船してくれる乗合船やチャーター船などのタイプもある。レンタルボートは船舶免許不要の手漕ぎや2馬力エンジン付きもあれば、免許が必要なエンジン付きのボートもあるので、自分に合ったタイプを選べばOKだ。
釣り方の種類
船やボートからアオリイカを狙う場合、陸っぱりでの釣り同様、エギをキャストして探る釣り方と、重いエギを使用してやや深場でのティップランやティップエギングと呼ばれる釣り方もある。
潮の速い兵庫・明石海峡などでは胴突き仕掛けにエギを付けた胴突きのエギングや中オモリを使用したエギングをさせてくれる船宿もある。そんな中、今回は秋の新子アオリイカをターゲットとしたボートからのキャスティングに絞ってみたい。
オススメの理由
ボートからキャスティングをして探るエギングは、陸っぱりと釣り方自体は似ている。「それなら手軽な陸っぱりでいいのでは?」と思われるかもしれないが実はボート釣りでは陸っぱりとは違う魅力がある。特に入門者にとっては釣れてナンボ、釣れなければ面白くない釣りと思われかねない。そこで、入門者にこそボートエギングがオススメな理由を紹介。
1. 竿抜けポイントが狙える
ボートエギングは、何と言っても陸からのエギング、いわゆる陸っぱりではいくら歩いても、たどり着けない未知の領域、すなわち手付かずのイカのポイントをダイレクトに狙うことができることが最大の魅力だ。
例えば、鋭角に切りたった複雑な地形のポイントなどは、とても歩いてはその場所まで行くことが困難である。しかし、ボートエギングではそのような場所でも弊害なく効率的に攻めることができ、狙える範囲も陸ッパリに比べて大幅に広くなる。
当然ながらこのようなポイントは、陸っぱりの有名ポイントのように連日攻められることは少ない。生息するイカも数多く、あまりエギングに慣れていないビギナーでも陸っぱりでは味わうことのできない釣果が期待できる。
2. 機動性を活かせる
ボートエギングの魅力の一つにその機動性がある。
実績場とはいえ、その日の海況によってアオリイカが全く釣れないことが良くある。このような時、陸っぱりでは徒歩で来た道を戻ったり、あるいは険しい地磯地帯を上り下りしたりと時間と労力を費やして、新たなポイントを探し求めて移動を繰り返さなければならない。
その点、ボートエギングなら海上を走ることができる動力を使って、思い思いのポイントをラン&ガンして次々と移動をしていける上、移動に費やすロス時間を釣りに使うことが可能となる。結果的に時間の効率化が図れ、その分、釣果はもちろんアップするはずだ。
エギングにチャレンジしようとする人にとっては、数多く釣れる秋のボートエギングこそオススメである。チャンスがあればぜひ、一度、チャレンジしてほしい。