ライフジャケットは命を守るための道具だ。だが、最近は様々な種類のライフジャケットが登場し、救命目的以外に収納面などからもマストなアイテムとなっている。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・古川竜也)
ライフジャケットの代表的な種類
ライフジャケットには数多くのタイプが存在するが、大きく分けて2種類ある。
膨張式
膨張式は炭酸ガスなどを浮力体としているライフジャケットを言う。自動膨張式と手動膨張式があり、膨張する前はコンパクトで邪魔になりにくく、バスフィッシングをしている人がよく使用している。主に腰巻きタイプと肩掛けタイプがある。
浮力体式
浮力体式は、ベストの中に発泡スチロールなどの固形浮力体が備えられているものを言う。膨張式と比べて安価なものが多く、着水後すぐに浮くことができる。こちらはどちらかといえばソルトゲームの方がよく使用している印象だ。主にジャケットタイプ(チョッキタイプ)が多い。
シーバスゲームは浮力体式
今回は、筆者がよく行うシーバスゲームシーンでのライフジャケットについて解説しよう。
シーバスゲームでは、ウェーダーを履いて海や川の中へ入って釣りをする、いわゆるウェーディングが多い。そのため浮力体式のジャケットタイプが一般的である。膨張式ではウェーディング中に軽く水を被ったときに反応して膨張してしまう可能性があるからだ。
ライフジャケットの役割
ライフジャケットといえば当然、救命のための物。陸っぱりの釣りであっても着用はマストだと筆者は考えてはいるが、救命以外の役割もある。
1.救命
ライフジャケットといえばまず最初に救命目的が挙げられる。誤って落水してしまった際に、ライフジャケット内の浮力体が身体を浮かせ、溺れるのを防ぐ役割がある。
2.防寒
特に冬季の寒い時期は、ライフジャケットは防寒としての機能も果たしてくれる。浮力体が保温の役割を果たしてくれ、風が直接身体に当たらないようにしてくれる。
3.ファッション性
昔のライフジャケットといえばオレンジ色のものを想像する人が多いだろう。しかし、近年は主にルアーフィッシング向けのライフジャケットが増え、同時にデザインもどんどん良くなっている。ライフジャケットを着用することでかっこよさが増したり、他人から上手な人と思われることもあるだろう。
4.収納
浮力体式のベストタイプ限定にはなるが、筆者的には裏本命が収納機能だ。陸っぱりのシーバスゲームでは、収納目的からしてもライフジャケットはマストアイテムと言える。詳しく説明していこう。
ライフジャケットの収納機能
シーバスゲームにおいてのライフジャケットは、救命機能と同じくらい収納機能の役割を果たしている。
1.ルアー収納
シーバスルアーは多種多様で、ミノーからバイブレーション、トップウォーター、シンキングペンシルなど数多くのルアーを釣り場に持っていく人も多い。そのため、ルアーの収納の多さも大事になってくる。
シーバスゲーム用のライフジャケットにはだいたい2つ以上の大きなポケットがあり、ルアーケースを2つ以上収納できるようになっている。そのため、片方をバイブレーションケース、もう片方をミノーケースというように、種類で分けてきれいに収納することもできる。
またシーバスゲームではハードルアーだけでなく、ワームを使用することも多い。ワームは意外とかさばるため、収納場所に困ることも多いが、大小のポケットがあるため、サイズに合わせてきれいに収納することが可能だ。
2.Dカンの利用
ライフジャケットにはDカンと呼ばれるリングが付いている。Dカンにはラインカッターのついたピンオンリールやフィッシュグリップなどを取り付けることができる。特にラインカッターに関しては、ルアーローテーションを頻繁に行うシーバスゲームにおいて、すぐに手に届く所にないとテンポが悪くなってしまう。
その点ピンオンリールを付けてライフジャケットのDカンに取り付けておくと、コンパクトに収納できるのにも関わらず、引っ張るとピンオンリール内のラインが伸びて、自由にラインカッターを使うことができるためオススメだ。
3.その他
その他にもライフジャケットにはドリンクホルダーやランディングネット、プライヤーなどを取り付けることができる。ランディングネットは意外と荷物になるため、現場に持ち込むのを躊躇することもあるだろう。
しかし、ライフジャケットにワンタッチで取り付ければ、躊躇せずに持ち込めるため、不意の大物が掛かったときにも楽にランディングすることができる。
また最近では、スマホケースを取り付けることができるライフジャケットもあるようだ。スマホケースにスマホを入れておけば、ウェーディングの際に水没することもなく、取り出したいときに素早く取り出すことができる。このように、釣りで必要なものがほぼ全てライフジャケットに収まってしまう。