秋の禁漁から約半年。待ち焦がれた川開きだ。そこで、ビギナーの諸兄に向けて本流釣りの初歩を分かりやすく書いてみた。ご一読を願いたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・冨田真規)
本流釣りと渓流釣り
渓流釣りとひと口に言うが、チョウチン釣りに代表される源流釣りや、10mもの長ザオを振る大川での本流釣りも渓魚を狙う釣りだから、いずれも渓流釣りのカテゴリーである。一般的にはサオの長さ7m程度を基準に、より長いサオを使用する釣りを本流釣り、短い方は渓流釣りと呼んでいるようだ。
その境目はないに等しいが、本コラムでは、魚の潜む場所そのものを狙う釣りを渓流釣り、魚の着く場所へ何度も仕掛けを送る線の釣りを取り上げ、本流釣りと定義することにしてお話を進めさせていただく。
本流釣りのタックル
魚の着く場所へ何度もエサを流し込む釣りが本流釣りであるから、餌付(えづ)かせるポイントは当然自分の立ち位置よりも下流である。ターゲットから丸見えの位置にスタンスを構えなければならないこと、流す距離を稼ぐ必要があることの2点から、長ザオはこの釣りの必須アイテムとなっている。
自分の狙う河川の広さにもよるのだが、基本的には8m前後の超硬でも極軟でもない普通のサオが扱いやすいと思う。シーズンを通して満遍なく使えるし、尺物くらいなら余裕で対応する。本流ザオは、なるべく使い回しの効くものが重宝して無駄がないのでお勧めだ。
本流釣りの仕掛け
イトは細イト嗜好でも0.4号程度は張るべきだろう。私は5月ごろまでが0.6号で、それ以降は基本的に0.8号を使用することにしている。大きいイトを使用するのは欲の深さももちろんあるが、環境保護を訴える師匠の教えを守って通し仕掛けにせず(仕掛図を参照していただきたい)、高切れしたミチイトを水中に漂わせないようにとの配慮である。
また、本流釣りは基本的に大場所を釣る釣り。広くて深い本流で大物と勝負するのがこの釣りの醍醐味であるなら、安心してターゲットにサオを曲げさせるためにも必要な選択だと考えるからだ。
ハリは軸が太過ぎず刺さりの良いものを選ぼう。ミミズを使用する場合はワンサイズ大きめを。ブドウムシやイクラなど手に入れやすいエサはハリ先の甘くなったのを簡単に知らせてくれる。エサ付けの際にハリ先が滑ったら即交換だ。がまかつのナノコーティングシリーズは抜群の刺さりの良さで私の必須アイテムだ。
オモリは交換のしやすいヤマワゴム張シリーズがお勧めだ。少々値は張るが、オモリのまめな調整こそ本流釣りのキモと考えてほしい。サオ先からイトを介してぶら下がった不自然なエサに対してアマゴに口を使わせるには、全てはオモリ選択のバランスの良し悪しで決まると言っても過言ではない。流れ方に違和感を覚えたら即オモリ交換を。ここを怠ける釣り人に巧者はいない。
大半の本流師が毛糸の目印を使用していると思うが、太さと大きさは好みがあるようだ。私は4つ付けている目印の下3つは水中に沈めて流れの抵抗を増幅させるために使用している。そのため、笑われるほど大きなものを付けているが、マヅメ時にも見やすいし、対岸からサオを出す人にも発見してもらいやすく、無用なトラブルを防止する役割もある。