【中部エリア2020】本流釣り初心者徹底解説 タックル・釣り方・練習方法

【中部エリア2020】本流釣り初心者徹底解説 タックル・釣り方・練習方法

秋の禁漁から約半年。待ち焦がれた川開きだ。そこで、ビギナーの諸兄に向けて本流釣りの初歩を分かりやすく書いてみた。ご一読を願いたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・冨田真規)

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淡水の釣り 渓流釣り

良型アマゴのポイント

各ポイントの良型アマゴ狙う場所を解説したい。

本流エリア

本流で良型アマゴの釣果を得るためには、その河川を管理する漁協が成魚放流をしているかどうかが重要なポイントになる。残念なことに成魚放流事業から撤退する漁協が後を絶たないが、成魚の残りが美しく変身してわれわれのサオを曲げてくれるのがほとんどであることを鑑みれば、ぜひとも成魚放流が行われる河川でのサオ出しをお勧めしたい。

奥山エリア

奥山に分け入って、細い流れにチョウチン仕掛けのミミズを入れると狂ったようにコッパアマゴが飛びつく経験をお持ちの読者も多いだろう。あくまでも一般論だが、入渓に困難な渓ほど釣り自体は簡単になる。釣り人の少なさ、供給されるエサの少なさなどがその主な理由だ。

下流エリア

場所を徐々に下流に移していわゆる渓流域になると、アマゴやイワナも少々エサの流れ方にうるさくなってくる。テクニックの差が釣果に現れてくるのもこの辺りから。

例えば、岐阜県・吉田川を例にとると、道の駅磨墨の里より上流域、畑佐・三原辺りがその典型なのではないだろうか。それより下流はもう立派な本流釣りのカテゴリーだと私は考えている。川幅も広くなり、青々と水をたたえた大淵にはいかにも大アマゴがいそうだが、投げ入れた仕掛けからはなかなか魚信が伝わらず、ってのがよくあるパターンだ。広い本流域のどこを狙えばいいのだろうか。ビギナーが最初に立ち向かわねばならぬ壁である。

【中部エリア2020】本流釣り初心者徹底解説 タックル・釣り方・練習方法堰堤下は絶好のポイント(提供:週刊つりニュース中部版 APC・冨田真規)

流域とエサの関係

アマゴは時期、時間によって、その習性や定位する場所、集餌ポイントが変わる。それを考えながらポイントを選ばないと、いつまでたってもサオは曲がってはくれない。上流域では細かいながらもアマゴ、イワナの本命が釣れるが、少々下流に来るとウグイやアブラハヤなどの外道が増え、さらに下手ではニゴイや大ウグイなどしか釣れない。本流を志したころの私の釣果はまさにこれだった。

これも一般論だが、源流域の魚よりも本流のアマゴは大きく太い。この差は魚の取ったエサの量に起因する。本流域はエサとなるカワムシや小魚などの生物が多く、アマゴは食事に事欠かない。釣り師が流したエサに対する執着心が薄くなるこの事実こそが釣りを難しくしている原因なのだ。

流れが細くなれば当然、その行動半径も狭くなる。岩陰に潜み、流下するエサをひたすらむさぼることに終始するのがヤツらの生活の全てだったとしても、広い本流域であれば当然にその移動距離と守備範囲は増えるはず。何度も仕掛けを送ってアマゴにエサの存在をアピールする必要があるのはそのためだ。

【中部エリア2020】本流釣り初心者徹底解説 タックル・釣り方・練習方法何度も仕掛けを送ってアピールを(提供:週刊つりニュース中部版 APC・冨田真規)

時期や時間によって狙う場所も変化

時期や時間帯によっても狙うポイントは変化する。春先は水がぬくむ日中に瀬肩でゆっくり虫を食(は)んだりするが、夏場の水が煮える時期には朝夕のマヅメ時に溶存酸素の多い水通しの良い深瀬でエサを食む。水面でハッチする虫を見ているヤツらは釣りにくいが、底波に定位してエサを待つアマゴはわれわれのエサに反応する可能性がある。

こういった一般的に考えられる渓魚の習性に加え、その日の天候や水量から推したすみ家となる流れを読んでサオを出すポイントの道標とするのだ。増水中か減水中か、雨の前か後か、昨日よりも暑いか寒いか。全ての要素は連続して変化している。これらを敏感に感じながらアマゴは動いていることをいつも頭の片隅に置き、魚になったつもりで居心地の良い場所を想像してみよう。

具体的にエサを流すポイントだが、私はこれまでいろいろな機会で、「流れの変化する場所を狙うべし」と申し上げてきた。すなわち、岩や沈み石、橋脚、護岸にぶつかった深瀬の手前のカケアガリ、底が急激に深くなる所、浅くなる所。これらの場所は全て流れを変化させ、強弱・急緩の水圧を比較的お互いの近くに作り出す。虫を育む緩流に小魚が群れ、それらを狙う魚がそこここに集まり、さらにそいつらを狙う大アマゴが潜む。流れの中の食物連鎖の構図から、水圧の変化の集合場所こそ、サオを出すポイントだと考えられるからである。

【中部エリア2020】本流釣り初心者徹底解説 タックル・釣り方・練習方法川によっては大型のニジマスも(提供:週刊つりニュース中部版 APC・冨田真規)

ネットやSNSなどで仕入れた情報から明日出かける河川は選ぶとして、現場へ着いたらまずはじっくりと流れを観察し、前述の要素を加味してみて、一番に攻める場所を決定しよう。

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