芦ノ湖の釣期は、3月1日がルアーフライ限定特別解禁、翌2日から12月14日までが通常解禁となる。解禁直前、関東屈指のレイクトラウトフィールド芦ノ湖のポイントを紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)
芦ノ湖の概要
関東平野の西南端にある箱根。北は丹沢、東に湘南、南は伊豆、西には富士の裾野が広がる場所に位置する自然豊かな立地。
江戸時代には関所が置かれ、今では温泉地、避暑地として関東屈指の観光地でもある。その中央に位置するのが芦ノ湖だ。箱根山の噴火によってできた堰止湖で、周囲長21.1kg、最大深度は43.4mある。
日本で初めてブラックバスが移入された湖として知られ、多くの魚類が生息する。なかでも、多くの釣り人がターゲットとするのが、ブラックバス、トラウト類、ワカサギだろうか。ワカサギは「箱根町の魚」に指定され、その種卵が全国各地に出荷されている。
また、ワカサギの刺網漁が解禁する10月1日の初漁魚は、箱根神社に奉納、宮内庁に献上される。
そのワカサギを飽食しているのが、ブラックバスとトラウトたちだ。私は、その後者を求めて、二十五年以上通い詰めている一人。
芦ノ湖で釣れる魚種
バブル期以降、養殖魚を大量放流していた時代はあったが、今ではニジマスを除けば稚魚放流が中心である。「釣れなくなった」と、嘆く人がいるが、それは違う。数を釣りたいなら管理釣り場に行けばいい。自然のフィールドに求めるのは、魚体の奇麗な大型魚だ。その日の釣果が1尾でもいいので、ネイティブな50cmアップを釣りたい。それがこの湖に通い続ける理由だ。
芦ノ湖の釣期は、3月1日がルアーフライ限定特別解禁、翌2日から12月14日までが通常解禁となる。
芦ノ湖で釣れるサケマス類は、ニジマス、ブラウントラウト、イワナ(ニッコウイワナ、アメマス)、サクラマス(サツキマスを含む)、コーホーサーモン、ヒメマスの6種。ヒメマス(最大で40cm)以外は、いずれも50cmアップを狙える魚種ばかりである。
2019年の筆者の釣果
2019年、50cm以上の釣果は67尾。内訳は、ニジマス30尾、ブラウン8尾、イワナ1尾、サクラマス2尾にコーホー26尾。ニジマスは70cm超級3尾と近年にない大型が釣れた。一時はタモに収めながら取り逃がした推定80cmクラスのニジマスもヒットした。
ブラウンとサクラマス
ブラウンは、釣り上げたばかりの黄色の魚体が美しい。シートラウト系の銀毛化し、紫がかった銀白色の魚体も奇麗だ。昨年、最も嬉しかったのは、55.5cmのサクラマス。希少種であることに加え、体高のある鼻曲りのオスの魚体は賛美に値する。
コーホーサーモン
コーホーサーモンはニジマスに迫る釣果。逃がした大型は多く、上手く釣ればニジマスの釣果を超えたかもしれない。ニジマスが3~5月に表層で釣れたのに対して、コーホーは7~10月に水深25m前後の底層で掛かった。雑食性のニジマスに比べて、魚食性の高いコーホーはルアーやフライに反応がよく、一日に58cm頭に6尾の釣果もあった。
イワナとヒメマス
50cm以下のサイズは数えるに及ばずである。湖底から浮いてきた銀ピカのその魚体には神々しささえ感じられる。イワナはここ5年では最も釣れない年だった。それまでアメマス系が多かったのに対し、昨年はニッコウイワナ系が多かったように思う。ヒメマスも当たり年で、専門的に狙っている人は制限尾数の15尾を2~4時間で釣っていた。
芦ノ湖レイクトラウトのポイント
ニジマスのポイント
芦ノ湖のポイントは、ニジマスなら解禁直後は湖尻湾、九頭龍、吉原窪などのワンド内の浅場。
初夏には百貫の鼻、亀ヶ崎などの岬周りの中層。
ブラウンとコーホーのポイント
ブラウンは、東岸や南岸の急深の駆け上がり。コーホーは、水深のある神宮や和田の角、トリカブト、百貫の鼻などの底層。
サクラマスとヒメマスのポイント
サクラマスは湖全域で釣れたが、食い上げるアタリが多く、縦の釣りが有効だった。ヒメマスは生きた水に付いており、初期は禁漁区沖、盛夏は東岸、終期は百貫の鼻からトリカブトにかけてと神出鬼没。