冬の名古屋港フカセ釣り攻略方法 『ハワセ誘い釣り』を活用しよう

冬の名古屋港フカセ釣り攻略方法 『ハワセ誘い釣り』を活用しよう

名古屋港は、中部圏の中心となる名古屋から最も近い、都市近郊の工業港である。工業港といえば工場などからの排水により、冬でも一定以上の水温低下がなくクロダイの活性が高い。と、思われがちであるが、名古屋港においてそれは大きな間違いである。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 白村つとむ)

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3パターンのポイント

名古屋港にはさまざまなシチュエーションの釣り場が存在するが、大きく分けて「パイル周り」、「流れのあるカケアガリ付近」、「流れの弱い岸壁」の3パターンとなる。

1.流れのあるカケアガリ

「流れのあるカケアガリ」を狙う場合、通常のフカセ仕掛けで通用し、ウキ下も1ヒロから3ヒロ程度で流していくが、上潮の滑りが安定しないことが多く、慣れないうちはややハワセ気味にして流していくと、サシエサがナジむ回数も増え、ヒット率も上がる。

2.パイル周り

次に「パイル周り」。名古屋港全域に広く点在しているパイル。特にコンクリートの土台で影ができるパイルにはおびただしい数のクロダイが居着く。ただし、これらは100%居着きクロダイであり、サシエに反応させるのは困難を極める。
見えているのでどれも食いそうだが、その真横で1日釣っても普通にボウズを食らうことは当たり前だ。これを釣るには、タナを水面直下に設定するよう流れに合わせ、矢引き以下で少しでも中へダイレクトで入れるように何度もしつこく流していくと、まれではあるがヒットすることがある。

3.流れの弱い岸壁

さて最後の「流れの弱い岸壁」だが、名古屋港では最も多い釣り場の1つであり、意外にもクロダイがたまっている。ヘチに限らず、底全体にクロダイはいるが食い気がないので、なかなか好反応を見せることはない。

そんな食い気のないクロダイに口を使わせ、長年に渡り実績を出してきた本題の「ハワセ誘い釣り」について解説する。

ハワセ誘い釣りのキモ

冬の名古屋港フカセ釣り攻略方法 『ハワセ誘い釣り』を活用しようタックル例(作図:週刊つりニュース中部版 白村つとむ)

この釣り方の最大のキモは、ウキの浮力を利用した超スローフォーリングである。例を出すと、G2のウキにメインオモリはG2を打ち、ウキがシモり始めるまでジンタン8もしくは7を追加する。

ウキがシモり始めるジンタンを外し、それを2ヒロ半から3ヒロほど取ったハリスのハリ上50cm~1m付近に打つのだ。そうすることにより、ハリ上のジンタンが着底した時点でウキのシモリが止まる。50cmに打った場合、ハワセ幅は約50cmとなる。

その幅はいろいろと変えてみて、クロダイの反応を探っていく。しかし、これはハワセ幅も重要ではあるのだが、実は「フォーリング幅が変わる」ことにキモがあるのだ。

ウキ下はゆっくり沈めたい幅に対して、ウキをシモらせる深さを調整するが20cm~1m程度。例えば50cmウキが沈んだ状態でアタリがない場合、ラインを軽くあおってウキ止めを引っ張る。

冬の名古屋港フカセ釣り攻略方法 『ハワセ誘い釣り』を活用しよう円錐ウキメインに使う(提供:週刊つりニュース中部版 白村つとむ)

するとウキは浮き上がり、ウキ止めを捉えたら再びシモり始める。この時すでに底付近にあるジンタンは、ウキの浮力によりよりゆっくりと沈下する。

この超スローフォーリングが「ハワセ誘い釣り」最大の特徴だ。要するにジンタンがサシエサと変わらない、もしくはサシエサ以上に遅く沈下することにより、ジンタンがサシエサを引っ張らないため、ゆったりとしたフォーリングが可能となるのだ。

冬の名古屋港フカセ釣り攻略方法 『ハワセ誘い釣り』を活用しよう使っているハリ(提供:週刊つりニュース中部版 白村つとむ)

アタリはウキがシモってナジみ、数秒後サシエが着底する間際、着底してひと呼吸おいたころに最も出る。そのほとんどが食い上げであり、ウキがフワフワしたり浮き上がったりする。決して慌てず、その後ウキが消し込んでいくまで待つようにしよう。

以上がハワセ誘い釣りの釣り方の概要だが、いろいろとアレンジして自分なりに誘い方を工夫するのも楽しい。ぜひトライしてもらいたい。

冬の名古屋港フカセ釣り攻略方法 『ハワセ誘い釣り』を活用しよう名古屋のクロダイ解説図(作図:週刊つりニュース中部版 白村つとむ)

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