カメを飼っていると、しばしば無精卵を生みます。これを食べてみたらどうなるか、試してみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
カメは無精卵を生む
先日、知人から「飼っているカメが卵を産んだんですが、よかったらいりませんか」という面白い連絡をいただきました。彼は小さめのクサガメを2体保護しており、自宅のベランダで飼育しているのでうが、そのうちの1体が卵を産み落としたのだそうです。
クサガメの卵(提供:茸本朗)カメを飼育している人には常識だそうですが、多くのカメはニワトリなどと同様に定期的に産卵を行います。その前に交尾が行われていなければ、産み落とされるのは無精卵となり孵化しません。
有精卵と無精卵は外見で容易に判別でき、有精卵は孵化させますが無精卵はときどき親個体が自身で食べる以外は使い道がなく、破棄されることも多いそうです。
クサガメの卵食べてみた
知人はそんなクサガメの無精卵を「筆者なら食べるかもしれない」と思い、取っておいてくれたのだそうです。気持ちに感謝しつつ拝受し、持ち帰ってきました。
実は筆者は以前にミドリガメの卵を食べたことがあります。その時の感想としては「濃厚だがとても粉っぽくパサつく」というもので、白身が加熱しても凝固しないこともあり、ゆで卵や目玉焼きのような調理法では美味しく食べることはできませんでした。クサガメの卵もそれに近いのではないかと推測し、全卵を和え物のように使えるレシピである「カルボナーラパスタ」にしてみることに。
カメ卵のカルボナーラ(提供:茸本朗)できたパスタは鶏卵で作ったものに比べるとやや淡白でしたが、脂っぽいコクも奥に感じられ、十分に美味しいものでした。
カメの卵を食べる文化はある?
ミドリガメに続きクサガメの卵もそれなりに美味しく食べられたため、「これなら世界中でカメの卵は食べられているのではないか」と思い、調べてみました。するとやはり、いくつかの地域でそのような食文化が見つかりました。
ウミガメの卵(提供:PhotoAC)ウミガメの卵を食べる
もっとも広い範囲で食べられているのはウミガメの卵で、ポリネシア諸国や南米諸国で食べる文化があるそうです。ウミガメは砂浜に卵を産み落とすため採取がしやすく、またまとまった量が採れるために良い食材となったようです。
しかし現在世界的にウミガメは生息数を減らしており、ワシントン条約で保護されているため、表向きは卵の食用は禁止としている地域が多いようです。
淡水のカメの卵も食用に
また南米ブラジルでは、河川流域で淡水性のカメの卵を食べることがあるそうです。考えればわが国でもスッポンの卵は食用にされることがあるので、普段からカメを食べるような地域においては「カメの卵」は一般的な食材なのかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>


