「5月の中禅寺湖なら、きっと夢の大型トラウトに出会えるはずだ」。そんな期待を胸に、栃木県・中禅寺湖を再訪した。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・夏野)
中禅寺湖でレイクトラウトを釣る
実は筆者にとって、中禅寺湖は昨年8月に初挑戦した思い出のフィールドでもある。真夏の高水温という厳しい条件の中、ベテランアングラーのEさんに案内してもらい、何とか人生初のレイクトラウトをキャッチ。
あの重厚な引きの感動が忘れられず、「次はベストシーズンに挑戦したい」と心に決めていたのだ。ところが、期待に胸を膨らませて訪れた5月の中禅寺湖で待っていたのは、予想外の光景だった。
かけあがりの底が見える(提供:TSURINEWSライター・夏野)想像以上の渇水状態
湖畔に立ってまず驚いたのは、その水位の低さだ。ボート桟橋が全て見えるほど露出し、湖岸の景色はまるで別の場所のよう。大きく減水した影響なのか、魚の気配も薄い。
実際、岸から狙うアングラーたちも苦戦している様子で、周囲を見渡してもロッドが大きく曲がる場面はほとんど見られなかった。「これはかなり厳しいかもしれない……」そんな不安が頭をよぎる。
桟橋の底が見えるほど減水(提供:TSURINEWSライター・夏野)少し沖目に魚影を発見
そこで今回選択したのが、ボートによるレイクトローリングだ。ボートハウスから出船し、Eさんとともに湖上へ。最も頼りになるのはボートの機動力と魚探だ。魚がいる場所を探し当てるため、広大な湖を走り回った。そしてついに――。
魚探に待望の反応が映し出された。どうやら魚たちは岸際ではなく、少し沖にまとまっていたようだ。減水によってポジションを変えていたのだろう。一気に期待が高まる。
Eさんが良型レイクトラウト連発
ポイントを流し始めると、真っ先にEさんのロッドが弧を描いた。上がってきたのは良型のレイクトラウト。さらにその後も次々とヒットを重ねていく。長年中禅寺湖に通うベテランの経験値はさすがのひと言見事なファイトで良型をキャッチしていく。
そして極めつけは50cmオーバーのブラウントラウト。湖面に浮かび上がった魚体に、思わず歓声が上がった。「今日はいけるかもしれない」そんな期待が、さらに膨らんでいく。
50アップのブラウントラウト(提供:TSURINEWSライター・夏野)筆者にも本命レイクトラウトヒット
すると、ついに筆者のロッドにも待望の瞬間が訪れた。グッ、グググッ――。昨年味わったあの独特の重みがロッドを通して伝わってくる。慎重に寄せて無事にネットへ収まったのは、1年ぶりとなるレイクトラウト。再びこの魚に出会えた喜びは格別だった。
1年ぶりのレイクトラウト(提供:TSURINEWSライター・夏野)ビッグヒットが到来
しかし、ドラマはこれだけでは終わらない。間を置かずして、再びロッドが大きく絞り込まれたのだ。今度は明らかに違う。「デカい……!」先ほどとは比べものにならない重量感。良型ブラウントラウトか、それとも大型レイクか?
無念のバラし
興奮した筆者は、思わずリールを力いっぱい巻いてしまう。だが、ここでEさんから冷静なアドバイス。「ゆっくり、ゆっくり!」そう。トローリングでは船そのものが魚を引っ張っている状態のため、慌ててゴリ巻きする必要はない。一定のテンポで落ち着いてやり取りすることが、大物を確実に獲るコツなのだ。
しかし、興奮状態の筆者の耳にはなかなか届かない。ゴリ巻きで強引に魚との距離を縮め、あと少しというところまで無理やり寄せていく。レッドコアラインが最後の1色に入った。魚まで残り10yard――。
心臓がバクバクと音を立てる。「もう少しだ……」そう思った次の瞬間、ふっとロッドから重みが消えた。痛恨のフックアウト。あと少しで、その正体を確認できたはずだったのだ。しばらく言葉が出なかった。
逃した魚は大きい
ロッドを絞り込む重量感、何度も首を振るような手応え、そして寄せてからも衰えることのない力強さ。これまでに掛けたレイクトラウトとは明らかに異なるファイトだった。結局、その姿を見ることはできなかったものの、おそらく正体は大型のブラウントラウトだったのではないかと思う。
もしネットに収まっていたなら、自分の釣り歴におけるメモリアルフィッシュの一匹になっていたはずだ。それだけに悔しさは大きかった、しかし同時に中禅寺湖に潜んでいる超大物との出会いを実現した嬉しい瞬間でもあった。
レインボーも釣れた(提供:TSURINEWSライター・夏野)2桁釣果を達成!
終わってみれば、この日の釣果はなんと11匹。この渇水による厳しいコンディションのなかでの2桁釣果は、十分すぎる結果と言えるだろう。今回あらためて感じたのは、ボートの機動力と魚探による探す力の重要性だ。
岸際が不発でも、魚は必ずどこかにいる。その日の居場所を探し当てることができれば、状況は大きく変わる。「渇水だからダメだ」と諦めるのはまだ早い。
2桁の釣果(提供:TSURINEWSライター・夏野)バラした大物のリベンジ誓う
難しい状況だからこそ見つけた1匹の価値は大きい。そして今回のように思いもよらないビッグトラウトとの出会いが待っている。今年の中禅寺湖は確かに厳しいコンディションかもしれない。それでも攻略法はある。
夕マヅメの中禅寺湖(提供:TSURINEWSライター・夏野)ぜひ諦めず、奥日光の湖に潜む夢の一尾を追いかけてほしい。筆者も次こそあの正体不明の大物を釣り上げるべく中禅寺湖を再訪するつもりだ。
<夏野/TSURINEWSライター>
中禅寺湖


