春の定番レジャーといえば「潮干狩り」。ゴールデンウィークに潮干狩りを楽しもうと計画している人も多いでしょう。そんな方々に向けて、このページでは潮干狩りの代表ターゲット「アサリ」の取り方のコツを徹底解説します。また、持ち物・持ち帰り方・下処理・保存方法などの基本情報についても、まるごと紹介していきます。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
アサリのいる場所
アサリを多く取るには、アサリの多い場所を見つけることが当然ですが重要。沖の深いところでは大きいものが取れますが、数を稼ぐなら潮がいち早く引く、波打ち際のほうがいいことも。
掘ったポイントのアサリの大きさと密度を見ながら、次の点を頭に入れてポイントを探してみましょう。
海底の起伏
砂浜の底は海流や波の影響により、岩のある場所や、海藻が生い茂る場所もあります。アサリが一番溜まりやすいのは沖にできる砂山の斜面。
一級ポイントは岸から見てカケアガリになるところで、波の影響が少なくてエサのプランクトンや有機物が流れて漂うよどみに集まります。手付かずの場所なら大型がザクザク取れる可能性は大きいです。
障害物周りも狙い目
障害物周りは条件次第でアサリが溜まりやすいほか、人の手が入りにくいのも大きな魅力です。人が入ると大型は少なくなり、しまいには稚貝だけになってしまうこともあるのが潮干狩り。例えば死貝の貝殻が集まっているポイントなどは、人の目では完全に選別しきれないので、先にだれかが掘っている場合でも生きた貝が多く残っている可能性が高くなります。
また、岩場のかげやテトラポッドの間など、アサリが残っていそうな穴場を探してみるのもオススメです。
アサリの目を見つけよう
アサリの目とは、砂に隠れた貝が水管を伸ばして海水を吸い込み、エサの有機物やプランクトンをこし取って吐き出したときにできる小さい穴のこと。3mmくらいまでの小さい穴が二つぴたりと並んでいます。
アサリが密集している場所は砂の目がこまかく、条件のいいところでは無数の穴が空いている場合が多いです。見つけたらすぐに掘り出して調査しましょう。
アサリの取り方
アサリは通常、水管を伸ばしたときに砂から出る程度の深さに潜っているので、小さい貝なら1cm、大きな貝でも3cmほどに潜っていることが多いです。掘る深さは5cmほどで、それ以上の深さにいるアサリは基本的には死んでいることが多くなります。
熊手などで浅く広く掘り進めていき、貝の手応えがあれば、手で貝を掴んで生きている貝かどうか選別しましょう。
こまかく探ろう
掘ってみてキープサイズがある程度交じるポイントを見つけたら、我慢して選別しながらその周辺をくまなく掘るのが堅実な取り方になります。
人間一人が漏れなく掘れるのはせいぜい半径1m。濃い場所なら少しズレただけで居残りアサリが取れる可能性は上がるので、こまかく動いて周囲を探りましょう。
また、好ポイントでは掘ってできた穴や砂山も、取りこぼしがないか一度見返してみるのがおすすめです。
アサリの持ち帰り方
海水に浸けて持ち帰る人が多いですが、海水の温度が上がると急激に弱ってしまうので、海水は別に持ち帰ったほうが元気に持ち帰ることができます。
あまり冷やし過ぎてもダメですが、ペットボトル氷や保冷剤を直接アサリに当たらないように一緒に入れて、ある程度低温で持ち帰るのがベストです。クーラー内の温度は20度以下、高くても25度までをキープしましょう。
アサリの下処理
家に帰ったらまずは殻が割れたアサリや、殻をぶつけるとカラカラと乾いた音がする中身のないものを取り除いていきます。これを怠ると料理に砂や泥が入り台無しになってしまうので、慎重にやりましょう。
また、別の死貝選別方法としては、台所のシンクなどに殻が割れないぐらいの高さからアサリを落してぶつけると、中身のない貝から砂が出てくるので、大まかにですが選別できます。
砂抜き
水洗いはシャワーを強く掛けながら、貝の入った網を揉むと、殻と殻がこすれて砂やアサリ自体が出すぬめりが取れてきれいになります。
砂抜きはアサリが完全に浸からない程度の海水に入れ、暗くしておけば4時間ほどで抜けます。このときできるだけ平面に並べて、上の貝が吐いた砂を下の貝が吸い込むことを防止し、重ならないようにするのが重要です。また、底に落ちた砂を再度吸い込まないようにザルなどに乗せて行うといいでしょう。
エアレーションも行うとアサリが弱りにくく、砂の抜け具合もよくなりますが、水を動かすことで砂が舞いアサリが砂を吸い込んでしまうと意味がないので、工夫して配置する必要があります。
砂抜きを行う海水は2.5%ほど(水1lに塩を25g)の食塩水を作ってもいいですが、アサリがよく砂を吐くのは現地の海水です。空のペットボトルを持っていって予備の海水を汲んでおくといいでしょう。
塩抜き
砂が抜けても海水につけておいたアサリは塩水を殻のなかに蓄えています。そのまま洗ってすぐ調理すると塩辛くなってしまうので塩抜きをしましょう。
ボウルに入れて常温で最低2時間、できれば半日ほど空気中にさらしておくと塩が抜けて美味しく食べられます。室温の高い季節はトレイなどに並べてラップをかけ、冷蔵庫で塩抜きするといいでしょう。
時短処理方法も
すぐに食べたい場合は、50度の湯に漬け、暗くして15分ほど待ちます。その後、強めに殻と殻をこすると汚れや砂を一気に吐き出すため、時短で砂抜きと塩抜きが行なえます。
汚れがひどいときは、2度目は同様に、3度目は水で行います。コツは温度が50度でないと煮えてしまったり、身が悪くなったりするので、きっちりと温度を計ることです。
保存方法は冷凍がオススメ
アサリは20度以下の温度で海水に浸けておけば三日程度なら生かしておけますが、基本的には弱りやすく死んでしまう個体も出てきます。そこで、長く保存する場合は砂抜き・塩抜きしてから冷凍するのがオススメです。
アサリは解凍しないでそのまま味噌汁にしても風味や味は変わらず、逆に旨味成分のイノシン酸がアップします。冷凍する際の処理は、しっかりと殻の水気を拭き取って、ジップロックに入れたり、真空パックにしたりするなど、なるべく空気に触れないように保存しましょう。
冷凍の保存期間
保存期間は家庭用冷蔵庫の場合、霜取り機能などで温度が上がり、徐々に美味しくなくなっていくので、1ヶ月程度を目処に食べきりましょう。ただし、真空パックなどで劣化の進行を最低限に抑えられれば3ヶ月近くは美味しく食べられます。
<TSURINEWS編集部>